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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第49話『戦士』
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少年は刹那のスピードで氷の壁を造形して身を守った。


「この近距離でも当たらないなんて、やっぱり一筋縄じゃいかないか」

「…それよりもさ、ボクが待っていてあげてるのにキミが先に攻撃するって、理不尽じゃない?」

「はは、ごめんごめん。待っててくれたんだね、ありがとう」

「礼なんか要らないし。というか、今のは宣戦布告と捉えていいよね? ボクが待つ筋合いはもう無いだろ?」

「あーあ、交渉失敗か」

「キミが短気なせいでね!」


少年の回りに冷気が漂い始める。臨戦態勢だ。
だがそれを見て、動揺の色を一切見せないミライ。それどころか彼はやれやれと首を振り、指を口にくわえ、


「ピィーー!!」

「!?」


高らかに口笛を吹いた。
その異様な行動に度肝を抜かれた少年は、一瞬怯む。

──そう、怯んだ。


「頼んだよ、2人とも!」

「「はいっ!!」」


「な!?」


ミライの掛け声と共に放たれた3方向からの攻撃を、少年は察した。
1つは正面のミライからだが、残り2つは後方から・・・風属性と氷属性か。


「ぐっ!!」


怯んだ上に、3方向から攻撃が来たから、少年は焦って防御を忘れ、全ての攻撃を喰らってしまう。
光と風と氷が混ざり合い、軽く爆発を起こした。


「──っ! …大丈夫か、2人とも?!」

「大丈夫です、ミライさん!」

「こっちも平気です!」


未だに周囲が煙に包まれる中、3人の戦士が合流した。






これは作戦開始の数十分前の出来事。ミライが晴登とユヅキに作戦を伝えているところだ。


「僕が囮になって、できるだけ情報を聞き出す。そのタイミングで事態が解決できれば最も良いが、たぶんそれは厳しい。だから、訊いた上で僕ら3人で共闘するのが良いと思うんだ」

「それで、勝って万々歳と?」

「うん」


ミライの作戦を聞いて、晴登は相槌を打つ。
情報を得て、そしてあわよくば撃退をすると。確かに理想的だが、実現の可能性は・・・


「ただハルトが巻き込まれた吹雪。アレを視る限り、僕だけの魔力じゃ到底及ばない。僕の魔法は“妖精魔法”といって、かなり万能な使い方ができるんだけど、結局は魔力の量が全てさ」

「そんな相手に俺ら3人で勝てるんですか?」

「相手が“鬼族”である以上、本気を出されたらどうなるかわからない。君たちが戦い慣れしていないというのもあるから、負ける確率の方が高いだろう」


ミライの言う通り、勝ち目はかなり薄い。
鬼族の実力がどれくらいかは知らないが、さっき喰らった吹雪を鑑みると、その強さは本物だ。


「だったら応援を依頼した方が・・・」
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