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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
37部分:第三十三話 夏の始まり
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俺達を乗せた車は走り出した。
車は本町を抜けて親不孝通りに入る。


「あのオーナー募集って書いてあるボロビルが、売春斡旋所の本部みたいだな。みんな入っていったぞ」

「根城に廃ビルを利用するって考えは皆同じなのかね?」

「モロからワン切り連絡が来たぜ!」

「敵は揃ってるみたいだな。武力制圧。指揮はキャップ」

「よし、俺とモモ先輩とクリスは、正面から行くぞぅ」

「悪の組織に踏み込みか。正義の血が騒ぐぞ」


キャップは2人を連れてガードマンに近づく。


「楽しくなってきたなぁ。こーんにちはっ」

「なんだお前らは帰れ。ここは入れないぞ」

「女が女を買ってもいいじゃないか」

「…!?お前、どこでそれを……こっちへ来い!」


掴もうとする男の首へ、モモの掌底が打ち込まれる。男は悲鳴にならない声を上げて倒れた。


「ガクト、ワン子、俺達も行くぞ」

「おう!」

「行くわよー!」

「まゆっち、締めはよろしく」

「はい、お気をつけて」


俺達は裏口に回ると、二階へと進む。バァン!とドアを蹴破ると、中の数人が外に逃げようとこちらに走ってきた。


「残念だが、」

「こっから先は行き止まりだぜ!」

「逃がさないわ!」


ガクトと俺ははこちらに走ってくる連中を薙ぎ倒していく。ワン子は窓から逃げようとする連中を、京の狙撃と一緒に追撃していく。


「て、てめぇら動くな!リアルで!」

「うわ、ちょっと放してよ!」


最後に残った男1人が、モロに拳銃をあて、人質にしながらビルから出てきた。


「あの、それ銃刀法違反…ですよ?」

「お前だって刀持ってるじゃねぇか!ってか、それ以上近づくんじゃねぇ!!」


ザン!ザン!ザン!


次の瞬間、男の拳銃は2つに割れて地面に落ち、服はキャベツの如くみじん切りになっていた。


「まゆっちのは…合法なんだぜ、ヤンキークン?」

「あ…あぁ、な、なんなんだよお前達は!?」

「俺の愉快な仲間達だ!」

「いやいやいや、俺と、だろ。お前のじゃないから」

「…特にやたら強い女達、なんなんだよお前達!」

「元気一番・努力大好き・川神一子!」

「悠里の正妻・あまり他人に話す口なし…椎名京」

「騎士道精神最高!クリスティアーネ・フリードリヒ」

「け、剣を使います、後輩の黛由紀江ですっ」

「3年の川神百代だ。武器は美少女らしく拳のみ」

「5人揃って!侍戦隊!!」

「川神レディース!!」

ドゴォ!

「横槍入れるなコラァー!いつまでも名乗れないだろ!」

「誰がレディースだっつーの!」



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