暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
IFエンド 「ディアーチェ・K・クローディア」
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ない。あやつがこやつと一緒に機動六課で働き、あの事件を無事に解決。その後もあやつは魔導師として仕事を続け……難事件に何度も当たってしまったが故に体がボロボロになってしまった。あと一度でも無茶をすれば魔導師どころか日常生活にさえ支障が出てしまうほどに。
 あやつが無茶をして入院する度に我は本気で怒鳴った。人を助けることは素晴らしい行いだ。しかし、それで貴様がいなくなるようになれば貴様を知る者は悲しむのだと。
 六課が担当したあの事件の後……ショウは入院した。命に関わるほどのものではなかったが、事前に事件のことを知らされていなかった我にとっては心臓が止まるほどの衝撃があったものだ。余計な心配はさせたくないというあやつや他の者の気持ちも理解は出来る。
 しかし……魔導師としての道を選ばなかった我が出来ることは待つことだけ。心配することだけなのだ。我の事を心配させたくないというが、何も知らずに後で結果を聞くのと知らされて心配して待つのとでは心境が違う。

 待つ者は何もしてやれぬ。ならば……せめて心配だけでもさせてほしい。それはいけないことなのか?

 この言葉はショウが入院する度に言っていた気がする。ただ……何度目かの入院で次はない、と医者から言われた時はさすがに口にすることは出来なかった。

『もう……魔導師はやめてくれ。……もしも……また何かあれば…………何かあったなら』
『ショウ……貴様が…………お前がいなくなるのだけは堪えられん。……もう……心配もしたくない』
『頼む……頼むから…………我の隣に居てくれ。……ずっと傍に居ってくれ』

 これまでの人生で最も感情が高まっていただけに自分が何を口にしたのかはっきりとは覚えておらん。しかし、このようなことを泣き崩れながら口にしたのは確かだ。今振り返ってみると……我にとって人生最大の汚点かもしれん。
 いやしかし、あれがあったからショウは魔導師をやめ我のものになってくれた。個人的には技術者としての仕事はやめなくとも良かったのだが……

『ん? まあ喫茶店は子供の頃の夢のひとつではあったし、技術者の方は手伝えって言われたらそのときはやるさ。というか、お前がずっと傍に居ろって言ったんだろ。俺は少しでもお前の傍に居られる選択をしただけだ。後悔なんかないさ』

 と言われてしまっては我ではもう何も言えぬではないか。簡潔にまとめれば何よりも我の事を優先してくれておるのだぞ。愛しておる者からそのようなことを言われたらときめきはすれど、邪険に扱うような真似は出来るはずがないではないか。
 そんなこんなあって我とショウは付き合うようになったわけだ。周囲の者からは祝福……からかってくる連中が多かったように思えるが、まああれはあれで祝福してくれたのであろう。母上やレーネ殿が最も面倒ではあったが……
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