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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
34部分:第三十話 決死のダウンヒル対決
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視に向かった。その頃、クリスの方では……


「150メートルは離れているな。余裕だ。お……?なんだ、犬が転んだぞ!大丈夫か。……あれ?立ち上がったが速度が遅すぎる…あの走り方、足を痛めたな。ふふ、これは余裕の勝負になったな。気持ちいいランニングとなりそうだ」


後ろで転んだワン子を見て、クリスは走る速度を落とした。その様子を遠くから見ていた百代は


「なるほどな……。そういうことか、悠里」


その一部始終を見て何かを察したのか、ニヤリと笑った。
まだまだこの勝負、行方がわからない。





大和side

俺は林の中を走り続けていた。さっき、ワン子の貰ったサインボールを服に隠して、チェックポイントから走ってきた。今頃、京はそれに気付いてクリスに連絡しようとしているのだろうが、クリスの番号は知らないままだから、クリスは遅く走ってるだろう。


「はあ??ハァ??負けねぇ!」


正直、かなりやばくなってきた。けど、負けない。俺をどこか侮ってるクリス。その気持ちを粉砕してやりたかった。正直あんな小細工でクリスが走る速度を落とすわけがない。結局は俺の走りに全てかかっている。


「ここだ……」


俺が辿り着いたのは、昨夜に姉さんに川に放り込まれた場所。ここから川へ飛び込めば最速のショートカット。が、かなり高い上に5月の冷たい川。俺は風邪。一瞬だけ戸惑ったが、


「くだらない事でも、俺は負けたくねーんだ!」


意を決して、叫びながら跳んだ。




ゴール地点の近くまで来ていたクリスは、キャップを視認するとそこへ急いだ。


「クリスこっちだ、俺にタッチすればゴールだぜ!」


ゴールは目前、ワン子は遙か後方。自分の勝利を確信した瞬間だった。


「風邪とはいえ、ぬるい勝負だったな。直江大和」

「大和、こっちだ。俺にタッチすれば勝ちだぞー!」

「??!?どこに向かって言ってる」


クリスは周囲を見回すと、大和が上流から走ってくるのを見つけた。


「!?何故?ボールは犬が……」


クリスは後ろを振り返ると、遙か後方でワン子はニヤリと笑った。


「しまった!!!!」


気付いたクリスは全力疾走するが、もう間に合わない。


「俺の、勝ちだぁぁぁー!!!!」

「ええええ飛び込んでくんのかよ!!!」

「キャップ避けるなよ!」

「ちっ、しゃあねぇバッチ来い!」


クリスが手を伸ばしているが、もう遅い。大和はキャップに勢いよく突っこんだ。その勢いでキャップは倒れて服はビチョビチョだった。


「勝者!直江大和!」


モモの声が響く。かくして2人の決闘は、大和の勝
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