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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
33部分:第二十九話 大和VSクリス開戦
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大和は一勝できたが、その顔は先程よりも辛そうで薬の効果が切れてきたのは明白だった。


「どうする悠里?そろそろ大和辛そうだけど……」

「……だな。おい大和、顔が赤くなってるぞ。ちょっと診せろ」

「心配ご無用……げほっ」


尚も強がる大和だが、遂に限界が来たのだろう、咳が漏れた。


「も、もうダメです。松風私は行きます!」

「行けまゆっち!まゆっちなら出来る!止まれば倒れる自転車がまゆっちが選んだ生き方だ坂道を登るんだ!ペダルをこげー!」

「ど、どうしたのいきなりまゆっち!」

「そ、その大和さんは熱が上がってきたのではなく元から、もう……かなり高熱だったんです!」

「おい、まゆっち!」


まゆっちが自分の事を知っているとは思いもしなかった大和は、まゆっちを止めようとするがもう遅い。モロは俺に「どうする?」と視線を送るが、俺は両手で上げて「さぁ?」と返した。


「熱を薬と悠里さんの術で抑えて戦ってたんです!」

「まゆっち黙って」

「だってだってもう見てられません!熱を無理してまで戦うのが友達なんですか?ち、違うと思います!!!友達って言うのは……その、わからないですけどこうじゃなくて、その……大和さんとクリスさんには仲良くして欲しいのに……う、うぅ……」

「……お、おぉ」

「まゆっち……」


普段、自分が畏まっている分、全員まゆっちの言葉に黙ってしまった。ただ俺だけは、その様子を興味深そうに観察している。


「す、すいません……私みたいな新参者が。でもどうしても……言いたくて」

「いや、良く言った」

「ああ。思った事をズバッと言って貰わないと」

「え……」

「弟ぉ。薬で誤魔化してたのか。しかも悠里の快気功まで使って」

「ったくさぁ、どーでもいい時はすーぐギャーギャー言うくせに、ツラい時は黙っちゃってさ」

「だって言ったら確実に不戦敗だったろ。やだね。まゆっちは仲良くして欲しいと言ったけど、これはそのために必要な戦いなんだぜ。クリスに俺を認めさせるために。だから引き下がれない。男の、意地があるんだ」

「ガキンチョだなぁ。ふふ、久しぶりに年下らしいトコ見たな。……それと悠里」


その様子を見て、モモは楽しそうに笑うと、モモは俺の方へと視線を移した。


「お前、まゆまゆが大和の事知ってるの隠してたな?」

「え?そうなのか兄さん?」

「まぁなー」


俺は隠さずにあっさりと白状した。まゆっちは周囲を気にしすぎるあまり、自分の意見をため込んでしまう傾向があった。だからあえて大和の事を言わないように釘を打っておいて、危ない所でまゆっちに喋らせる。というのが俺の考えだ。ま
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