暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
-荒くれザンク編- 2
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が……シレーナが……」

とオロオロと同じことを繰り返し言い出した。シレーナと聞いてルシアもお爺さんの肩を掴み強い口調で

「シレーナ!? シレーナがどうかしたのジェームズお爺さん!? ねぇっ!?」

と聞いてみるが、やはりお爺さんは同じことしか繰り返さない。それをみかねたランファは

「いやっ、貴方までパニックちゃっだめでしょっ!」

と二人を「どぉどぉ」となだめ落ち着かせる。
ふぅーと一息ついた後、お爺さんは落ち着き

「と、ととりあえず家に戻ろう。……連絡がきとるかもしれんしのぉ」

「……れんらく?」

まだ状況がわかっていないルシアだったが、取り敢えずはお爺さんの言う通り彼の家へと向かうことにした。

「(これは……事件の匂いですよ〜。にひひひ……)」

なにか変な方向で楽しむランファの事はひとまず置いといて、町の北側にある大きく立派な一軒家の中へお邪魔する。


家の中はほぼ植物達の世界といった感じで、植物園のように色とりどりの植物がいたるところから生えていた。
…だが決してゴミ屋敷というわけでなくちゃんと人が暮らすスペースもある。
客室へと案内され、ついでにお茶と菓子を用意してもらい改めて先ほどの話の続きを聞くことにした。

「で、なにがあったの?おじいさん」

「……シレーナがぁぁぁぁ」

また同じ展開を繰り返しそうなお爺さんに向かってビシッと厳しくランファは

「またかいっ!いい加減落ち着きなぁーほんとにもぉ〜クソジジイがぁ〜」

「…………」

と言われたのが相当傷ついたのか、お爺さんはうつむき何も話さなくなってしまった。

「シッ!それだけショックな事が起こったんだよっ」

慌ててお爺さんにフォローを入れ優しく聞き返した。

「お爺さん、ゆっくりでいいから僕たちにわかるように話して?」

しばらくの沈黙の後。お爺さんは重たそうに口を開き

「………じつはな」

話しかけたが

「あっ待って!」

「え?なに?」

なぜかあれほど話させようとしていたランファがお爺さんの言葉を遮った。
ルシアもお爺さんもどうして? と言いたげなポカンとした顔でランファを見つめる。


「今から回想シーンに入るんでしょ?」

お爺さんは無言でコクンとだけうなずく。

「じゃっ、効果音入れないとっ!」

「……こうかおん?」

ルシアの質問はガン無視で自分のペースで進めてゆき

「はいっ!シュワワ〜ン」

「しゅっ、しゅわわ〜ん……?」

訳わからないながらもランファの言うとおりに効果音なるものを入れ お爺さんによる回想シーンなるものへと突入するのであった。

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