暁 〜小説投稿サイト〜
姦物語(ヤリモノガタリ)
01月火ちゃん
[4/4]

[9] 最初 [2]次話
がナデナデして労ってやり、僕の方を睨んでくるが、そう言ったのは忍だ、僕じゃないって。
 父は何か「本当の月火は?」とか狼狽えるし、母も「病院で取り違えたんじゃないわよね」と疑いだし、月火ちゃんは泣き喚き続けるし、デッカイ方は睨むし怒るし今にも掴みかかって来そうだ。
「月火、あなた暦と結婚しなさい」
「「「へ?」」」
 焼き終わった一枚目のホットケーキを出して、今までの会話でおかしくなったのか、母が変なことを言い始めた。
「さ、ホットケーキよ、お食べなさい」
 ちなみにこの家では母の言葉は決定である。命令とかじゃなくて、もう決まったことなので覆せない。
 前にガハラさんを連れてきて彼女だと紹介したはずなのだが、僕と月火ちゃんは何故か結婚、いや今はまだ年が足りないので婚約する運びになった。
 こんな怒りんぼの奥さん嫌だ。
「わ、WQたしGSと、おHF兄ちゃんFづSKが、けっ、GJSDFK結婚?!」
 ついさっきまで泣きわめいていた月火ちゃんは、すっかり泣き止んで吃音症を発症しながら真っ赤な顔をして、僕と結婚するのが決まったのを驚いていた。
「母ちゃんっ、何で月火と兄ちゃんが結婚なんだよ? アタシはどうなんの? 兄ちゃんも何か言ってよ、アタシと約束したじゃんっ」
 デッカイ方の妹も何か混乱して、例の歯ブラシの一件以来、僕と将来の約束をシたことになっていて、彼氏とやらとも別れて、母にも相談して「兄ちゃんに歯ブラシで口の中をイタズラされて気持ちよくなって「兄ちゃんいいよ」と言ってしまったのでセキニンを取って欲しい」と言ったらしく、結婚までは無理でも今後結ばれて恋人になるつもりでいたらしい。
「母さん、一体何を?」
「え? 月火だけ血が繋がっていないなんて可哀想でしょ、男の子は暦だけだし、月火と結婚させるにはこの子しか居ないでしょ? まさか私と離婚してあなたが結婚するの?」
 まともな反応をした父と違い、母は消去法で僕を選び、「月火と籍を入れて、うちの子にするには、僕と結婚させるしか無い」といった結論を円環の理だか何処かから導いちゃっていた。
「アハッ、忍、暦お兄ちゃんのお嫁さんになる〜〜」
 僕の家庭と人生を一瞬で破壊した代わりに「人生の楽しみ方」を覚えた憎っくきバンパイアは、なにか楽しそうに笑いながら、ホットケーキにバターとシロップを掛けて食った。
 5枚も食った。

[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ