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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
32部分:第二十八話 大和の覚悟
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「仲間を心配するのはわかる。けどな、ここで大和の体調不良をクリス達に言ってみろ?クリスはまた大和の事を軽んじるだろ?」

「で、ですがあんな体調では……」

「大和だってそれくらいわかってるさ。けどさ、あいつだって今まで積み上げて来た物をクリスに口だけって言われたんだ。面白くないだろ?だったら、互いにぶつけてやれよ。本人の納得がいくようにさ」

「あ……でも」

「ひ み つ(ニッコリ)」

「は、はぃぃ……」


よし、これで問題無い。さて、あとは大和の頑張り次第だな。





午前9時の河原にて、クリスと大和の決闘が行われる。俺はとりあえず審判役として仕事することになった。


「ジャッジ兼司会進行は私とキャップと悠里だ。よろしく」

「やや風邪気味とのことだが?」

「なぁに問題無いさ。さぁやろうぜ」


大和は解熱剤と快気功が今は効いているので問題無い。しかし、その効果が切れるのも時間の問題だろう。


「私とキャップは3分ほど考えた。公平な決闘法を」

「んで、結局の所。川神戦役の縮小版をやろうかと」

「川神戦役?何かとてつもない戦いの予感が」

「これは中国で言うところの“童貫遊戯”」

「知っているのですか京さん?」

「ずるいぞぅ京!俺が解説するんだ!!」

「……しょーもない」


キャップの言葉に京は肩を竦めた。
川神戦役っていうのは、主にクラス同士が決闘する際に使われる方法だ。まず、クジ箱を用意して中からクジを引く。引いたクジには種目が書いてあるのでその種目がで戦い、先に5回勝った方の勝ち。
中身は知力重視だったり、体力重視だったり、感性重視だったりと色々な物があり、2人の得意なものから苦手なものまで様々ある。
つまりはこれに勝つには様々な力が問われる事になる。
ついでに言うと、クジは平等に入れたので偏ったりはしない。万が一に偏っても“運も実力のウチ”となるため、問題無い。


「それじゃあ、じゃんけんをしてクジを引く番を決めろ」

「紙によっては種目が2つ書いてあったりする。2つのうち、どちらかの種目で闘うかは引いたヤツが自由に選べる」

「了解した。はじめよう大和。じゃーんけーん」

「クリス、俺はチョキを出す。」


手を出す前に大和はクリスに自身が出す手を告げる。クリスは少し思考して手を決めると腕を振り上げる。


「じゃーんけーんっ ぽんっ!!!」


出した手はクリスがチョキの大和がグー。大和の勝利となる。


「ナニッ!?」

「はー、やれやれ予測通りすぎる……やりやすいなぁ、クリスは」
「む……!むむむむむむーーーー!!!腹立つ!大和腹立つーーー!!!」
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