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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
24部分:第二十話 由紀江の恩返し
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ケェ!!」

「イデデデデ!?割れる割れる!!」


バタバタとキャップは暴れるが、その力は一向に弱まらなかった。天城悠里お得意のお仕置き技『アイアンクロー』は今まで百代やワン子ならず、メンバー全員がその威力を体験済みだ。特に川神姉妹は後ろでガタガタ震えていた。

一分後……


「ふう……マジでやばかったぜ……」

「でも今回はキャップが悪いよ」

「冗談だって。大体、悠里は……」

「あ゛?」

「スンマセンでした!!」


ガバッ!とキャップは土下座する。もはやファミリーのキャップの威厳はないが、これは日常的なものだ。力でも百代より強いし、なにより常識もきちんとわきまえている悠里はファミリーの矯正には適任であった。故に兄貴分なわけだが……


「で、では、その…私も仲間で……い、いいのですね」

「ああ!いいぜ!」

「……うぅぅぅ〜〜……嬉しい…ありが”とうござ”ま”す”っ」

「なんてオーバーな……」


そんなに泣かんでもいいだろ。
その後、由紀江のあだ名は『まゆっち』ということに決まった。それと、モモの拳を全て避けてみせた辺りは流石は剣聖黛十一段の娘だな。


「あ、あの……悠里さんのお父上は天城琉聖さんでは……?」

「あ……そうか。俺の父さん黛十一段と戦って引き分けたんだよな」

「はい……父上から常々伺っていました。とても才能に満ちた良い青年だったと……」

「ん……?悠里の父上はそんなに凄いのか?」


俺の父さんを知らないクリスが聞いてきた。


「凄かったらしいぞ。腕は川神院の師範代クラスの実力を持ち、さらには黛十一段と同等の剣の腕までもっていたそうだ」

「そうなのか……ん?『だった』……?」

「父さんは死んだよ、俺が三歳の時の脱線事故でな。母さんも一緒に」

「……!すまない……また余計なことを……」

「いいよ。もう昔の話だからな」


俺は特に気にせずに話を打ち切った。この日は解散し、新しい仲間としてまゆっちが加入することになった。
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最近ハマった「銀の匙」が漫画賞を受賞。

さすがは荒川先生。おめでとうございます


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