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エターナルユースの妖精王
火竜と猿と牛
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っ!!!ちょっと…死んでないわよね!!!アイツ、あー見えて凄い魔導士だもんね…!!!きっと大丈…」

自分を安心させるように言いながら下を覗き込んで―――ルーシィは、そこから先の言葉を失った。
底が見えない。吹き荒れる吹雪の影響もあるだろうが、それにしたって見えない。仮に落ちたのがニアであれば自力で飛んで戻って来られるだろうが、ナツは炎の魔導士だ。飛ぶ手段なんて、きっと持っていない。

「男いらん、男いらん。女〜女〜!!!ウッホホホー」
「女!女!!ってこのエロザル、ナツが無事じゃなかったらどーしてくれるのよ!!!」

戦える自信はない。けれど、ここでもたもたしていてはナツの身がどうなるか解ったものではない。
どたどたと足音を立てて踊るバルカンを睨みつけ、腰に束ねた鍵の束を掴む。手に伝わる感触だけで目的の鍵を見つけると、鍵を握った右手を突き付ける。

「開け……金牛宮の扉…タウロス!!!!」
「МО―――――!!!!」

鐘の音と魔法陣。
高らかに声を上げるのは、二足で立つ牛だった。巨大な斧を背負った巨体はバルカンに勝るとも劣らず、引き締まった腹筋が露わになっている。

「牛!!?」
「あたしが契約してる星霊の中で一番パワーのあるタウロスが相手よ!!!エロザル!!」

何もないところからタウロスが現れた事にか、それとも牛が二足で立っている事にか。だらしなく緩んでた目を吊り上げて、バルカンが反応する。
バルカンの見た目からして、それ相応の力のある星霊でないと歯が立たないだろう。ならばと呼び出したタウロスは、どういう訳かすっとルーシィの前からその隣に立ち位置を変えた。

「ルーシィさん!!!相変わらずいい乳してますなあ、МОーステキです」
「そうだ……コイツもエロかった…」

んふー、と荒い鼻息といい、緩んだ顔といい、見た目が猿から牛になっただけである。寒さで判断力が鈍ったかと思えてしまうセレクトだった。思わず額に手をやり深く溜息を吐いてしまう。

「ウホッ、オデの女取るなっ!!」
「オレの女?」

緩んでいた顔が一気に引き締まる。バルカンの言葉に、タウロスがぴくりと眉間を動かす。

「それはМО聞き捨てなりませんなあ」
「そうよタウロス!!アイツをやっちゃって!!」
「『オレの女』ではなく『オレの乳』と言ってもらいたい」
「もらいたくないわよっ!!!」

真剣な顔で妙な事を言い出したタウロスに、胸を隠すように腕を回しながらツッコミを一つ。
どうやらやる気になったらしく斧の柄に手をやったタウロスの後ろ姿を見つめながら、それでも不安は拭えない。
それはタウロスが負けてしまうかも、といった事ではない。タウロスなら負けないと信じている。問題はそこではなく、そのタウロスを呼び出しているルーシ
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