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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
17部分:第十五話 黒狼
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ドを突き立てた。


ザクン!

「ヒィ!?」


もはや完全に怯えきった霧島を車から霧島を出すと、目の前にバスターソードを突き立てる。


「わ、悪かった……金はもういいし、娘も返す!もう二度とやらねぇから「黙れ」」

グシャ!

「ギャァァァァァ!!!」


喋る霧島に対して俺は両足にバスターソードを叩きつける。かなり圧迫されたため、脚から出血もした。


「赦せだと?散々今までこんなことやっといて赦すと思ってんのか!?あぁ!?」


グギィ!

「あぁぁぁぁぁぁ!!」


右肩を靴で踏みつけて骨を折る。折った折った部分を更にゴリゴリと踏みつけると、霧島は苦痛に歪んだ顔を浮かべる。


「テメェには慈悲も、哀れみもやらないと言ったろうが」


俺はバスターソードを振りかぶる。それはさながら、死刑執行のギロチンのようだった。


「や、やめ……!」

「じゃあな」

ザクン!


俺はバスターソードを振り下ろした。
しかしそれは、霧島の横に突き刺さって止まった。


「トドメを刺さなかったのか」

「……ヒュームさん」


悠里の後ろには、金髪で執事の大男が立っていた。彼こそ『ヒューム・ヘルシング』。九鬼家従者部隊序列0番、最強の執事だ。


「……コイツを殺したら、コイツと同じ事になります。……あとはそっちでお好きなように」

「フッ……甘いな。だが、賢明な判断だ坊主。冴島、そう言うことだがどうする?」


ヒュームさんが呼ぶと、冴島がこちらに向かってくる。冴島は霧島を一瞥すると、手に持った資料を見る。


「……コイツの落とし前はキッチリつける。取り立てて超過した分の金は払うし、娘も返す。……それが道理だからな」


重々しい口調で冴島は話した。信頼していた人間がこんなことをしていたのがショックなのだろう。


「じゃ、後は任せます」

「……いいのか?」

「言ったでしょう?あとは任せます。殺すなりなんなり、お好きなように」

「……悪いな」


もう、一秒たりともこんな場所に居たくなかった。これ以上ここにいれば、自分を保てそうになかった。


「おい、悠里」

「……なんですか?」

「……すまなかった」

「……俺より、あの子達の家族に謝れ」


俺は振り向きもせずにその場を後にした。少し歩くと、レノ達は一台のバンの前にいた。燕ちゃんに近付くと、燕ちゃんは抱きついてきた。俺はバンに乗り込むと、窓から外を眺めながらバンは走り出した。
隣には燕ちゃんが俺の肩に体を預けながら、すやすやと眠っていた。



夏の夜空に、星が輝いていた。
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