序章
序章 出会いと別れ 1
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分厚い雲で覆われて 月も星もすべてが漆黒の闇につつまれた薄気味悪い夜だった。
「はぁ…はぁ…」
茨の棘が行く手を阻む森の中を白銀色の髪の少女が息を切らしなせ 茨の棘に足を取られながら 何処かへ向かって走っている。
「グルル……」
「追えー追えー!」
「ガルル……」
走る少女の後ろを 黒い人の姿形をしたバケモノが追いかける。
そのまた後ろからバケモノを操っていると思われる 数名の魔術師たちも少女の後を追いかけている。
「っう」
茨の棘が容赦なく少女の体を襲う。
服からはみでている手足は、棘で傷つけられ 傷だらけで赤い血が滴り落ちている。
バケモノたちはその地面に流れ落ちた 血の臭いを追って少女の位置を特定し追いかけてゆくのだ。
「あれだけは決して外部に漏れてはならない…」
と一人の魔術師の男が小さく独り言のようにつぶやいた。
確かに少女の腕の中には大切そうに、“あるもの”が抱きかかえられていた。
襲いかかってくるバケモノ達の攻撃をギリギリのところで回避して たとえ回避しこねても絶対にその“あるもの”だけは傷つかないように身を挺して守っている。
「(あともう少しだからね……まってて…お父さん…)」
少女は“あるもの”を見つめ 強く抱きしめ 固く決意したのだった。
この卑劣な魔術師たちから生きて逃げのびてみせると…。
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