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IS《インフィニット・ストラトス》〜鉄と血と華と〜
第七話 重なる掌
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でしょ、あんた」
「えーと……まあ勉学に関してはある程度自信は御座いますが……」
「なら俺に勉強教えてくれないかな?」
予想していなかった提案にきょとんと彼女は目を丸くする。
「そんな事でよろしいんですか?」
「うん」
縦に三日月は首を振る。
「けど、どうして……」
「俺、頭悪いからさ、やれることなんてたかが知れてる。だから少しでも勉強すればきっと今よりやれることが多くなって、先に進める」
自分の右手を眺めてそのまま握る。
「俺はもっと強くならなくちゃいけないんだ。だからあんたの力を貸してほしい、ダメかな?」
真っ直ぐ、彼女の瞳を見つめながら三日月は言う。セシリアはこの時、何故自分が負けたのか少し理解できた。自分は常に下を見つけて見下すだけだった。この男違う、何時も上を見ている、目指すべき強さの為に貪欲に、向上心の差だ。
セシリアはこくりと頷き
「私で……良ければ」
「そっか、良い答えが聞けてよかった」
「あと……」
彼女は深々と頭を下げる。
「今までごめんなさい、貴方にずっと酷いことを言って……」
「別に気にしてないよ……えっと、何だっけ」
まさか此処まで来て自分の名前を覚えられてないと思ってなかったが、セシリアは自然と笑み
「セシリア・オルコットですわ、三日月さん……もっと早く貴方という殿方に出会っていればあんな風に言わなかったかも知れませんわね……」
右手を差し出すセシリア。
「あの、握手を……しませんか?これから一緒に励むという意味でも貴方とは良い関係でいたいので……」
頬を赤く染めてセシリアはちょっと三日月から視線を反らす。
「うん、よろしく。セシリア」
「はい!」
固く握手を交わす二人であった。
※
夕暮れ時、箒と三日月が寮へ帰宅している最中だ。
「腹へった」
「お前は何時もそれだな、だが確かに腹がへった」
そう言えば、と箒は三日月の方を向き
「オルコットに勝ったからお前がクラス代表だな」
「あ」
いきなり立ち止まり口を開けたまま
「まさか……忘れてたのか?」
「うん、けどめんどうだな、そう言うの。箒、代わらない?」
「やらん、男だったら潔く受け入れろ」
「柄じゃ無いと思うんだけどな」
再び三日月は歩き出すと、次に箒が足を止め
「大変なら、わ、私が支えてやる……だからその……頑張れ」
もじもじと箒は顔を赤らめる。
「……箒がそう言うなら頑張ってみようかな」
「ああ……!」
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