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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
13部分:第十二話 京都にて
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第十二話です
ではどうぞ〜
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第十二話 京都にて


8月某日。
世間一般では学生の楽しみである夏休み。友達や家族と海や山や川などで遊ぶところだが、俺、天城悠里(小六)は……


「……暑い」


何故か京都にきていた。
その理由は遡ること二週間前……





夏休み一週間前の日の夜、俺は夕食後に鉄爺に呼び出され、鉄爺の部屋に来ていた。中にはルー師範代の姿も見える。


「悠里よ、天神館というのを知っておるか?」


天神館。
西の川神学園の名を持つ名門校で、鉄爺の弟子である鍋島さんが館長を務めている。ちなみに鍋島さんと会ったときは驚いていた。父に比べて大人しすぎるらしく、「本当に琉聖の息子か?」とか言ってた。


「率直な話、お主はもう『壁を越えた者』の域に入っておる。だが、モモに比べて実戦経験は少ない。幸いにも今は夏休みじゃ。丁度いいから向こうの相手とも戦って、見聞を広める意味でも良いかと思っての」

「鍋島館長もあちらでの面倒は見ると言っているからネ。あっちの武道家の家に下宿して良いことにもなってるヨ」


なるほど、確かに俺はモモに比べたら実戦経験は少ない。だから丁度よく、今は夏休みだからあっちで経験を積んでこい、ということか。


「それにの、お主はいつも頑張ってるようじゃし、向こうで少し休むのもいいじゃろ。日本の古都じゃからのぅ。ゆっくりしてきなさい」


というわけで俺は今、京都に来ている。持ち物は着替えの入ったカバンとバスターソードを入れた、大きなギターケース。どんなサイズのケースかって?細けぇこたぁいいんだよ!!
……ちなみに、京都までは深夜バスに乗ってきた。朝には着くらしいので、時間の短縮になると思ったが……


「ねむい……」


思った以上に寝ることが出来なかった。……まあ、乗客の半数以上が完全にやられていたが……
途中、


「ミスター!」

「うれしー、あんたカメラ回しなさいよ!」

「うるさいな藤やん!」


とか聞こえてきたが、もしかしてこのバスに北海道が誇る某人気深夜番組一行が乗ってたのか?だったらサイン欲しかったな。ファンなんだよ、俺。


「おう、悠里。もう着いてたか」

話掛けてきたのはソフト帽に白いスーツ姿で長いコートを肩で掛けた壮年の人物。口には葉巻をくわえている。


「お久しぶりです、鍋島さん。お世話になります」


男の名は鍋島 正。天神館館長を務める、鉄爺の弟子の一人にして元四天王だ。


「ハハハッ、相変わらず礼儀正しい奴だな。まぁ、いい。早速下宿先に案内するぞ」

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