暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜一つの想い〜
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『この男・・・・』



「だからこそ!!自分の大切な物が、より一層!!美しく輝くんじゃないか!!!なにもない日常に、退屈できたあの日々が!!!そんなクソッタレな世界だからこそ、そこに生きる人間はなによりも強い!!!どんな世界でも、それは変わらぬよ」

『聞いてて胸くそ悪いですね。黙ってもらえませんン?』



クアットロの声がイラついてくる。

それは、自分の思い通りに苦悩しないこの男に向けてなのか
それとも簡単に悪を肯定するその思考に嫌気がさしたのか


前者ならいいだろう。まだまっとうな悪役だ。
だが、もし後者なら・・・・否、それは彼女ではないだろう。


彼女の不快は、この場の空気を一人の男に持っていかれていることにある。




「ああそうさ・・・・どれだけ頑張ったって、悪なんてものはなくならない。悪は必ずそこにある。この世界はクソッタレだし、どうしようもなく醜いさ。でもな、だからこそより一層輝きが増す。だったら・・・・おれはこのクソッタレな世界ごとすべて愛して守ってやるさ!!!」

『ふん・・・・だから何だと言うんですかぁ?もしかして、他の援軍をお待ちですかぁ?無駄無駄!!そんな人がいると思います?此処までやってきて助太刀に?』

「・・・・人を助けるのには、確かにその場に行かねばならない。だがな、俺は翼人だぞ?そのような瑣末なこと、我が翼において奇跡を為せばよいことだ」


『ですから・・・・』



「教えてやるよ、クアットロ。世界の理不尽()に呑まれし哀れな者。おまえが知り得ぬ「人」の強さを教えてやる」




蒔風が豪語する。
必ず助けはあると。

あれだけ世界はどうしようもないという男が、ここで世界は素晴らしいという。



矛盾




だが、思い返してみてわかるが








矛盾のなかった世界など、今まで一つもありはしなかった。









「見せてやる、クアットロ。おまえには無い、「願い」って奴をな」


蒔風の翼が開かれる。
その目が向く方向は、玉座に向かって左下側の端。


その先に、撃つべき相手を見ていた。





「なのは、場所はわかるな?」

「え!?あ、ああうん!!今見つけたよ!!でもどうして・・・・」

「おまえがなにしてんのか、わからない俺だと思っていたの?そんなことあるわけないでしょう」



傍目から見て、二人はなんの話をしているのか、わからないだろう。
その内容を簡潔に言うとこうだ。

なのははゆりかごに突入してヴィータ達と別れた直後、サーチャーを一つ放っていた。



そう、ただそれだけの
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