暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜一つの想い〜
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、そんな躊躇いの砲撃などは、この場においてはないのも同然。
呆気なく打ち消されて、ヴィヴィオの砲撃がなのはに直撃した。



『あっはははははは!!!ダメですねぇ・・・・戦闘中に気を逸らすとか馬鹿ですかぁ?あ、そっかー♪あなたの翼は確か「願いの翼」ですもんね〜?つまりぃ、私の願いを聞いてくれてるってことですか?あはは!!それってなぁんて損な力。願いが力になるなんて面白いけど、この場合まるっきり無駄じゃないですかぁ?』




片手間でなのはを砲撃で弾いたヴィヴィオが、蒔風の首を掴んで投げようとする。
だが、蒔風とて伊達や酔狂で世界最強を名乗ってはいない。

投げられる直前で視界は揺らぐが、そこはそれ。感覚はのこっている。
足を地に付け、爪先で踏ん張りヴィヴィオの投げに対抗する。

それどころか、逆にヴィヴィオの身体を投げつけるほどだ。
地面に倒れるヴィヴィオは即座に立ち上がるが、蒔風がそこに打滅星をぶちかまして、玉座の方へと吹き飛ばした。




そこで恐るべきは聖王のステータスか。
身体は衝撃で吹き飛んで、背中を壁にぶつけこそしたが、打滅星自体は腕でガードしたのだから。
壁から落ちて、今ではその拳をなんでもないように握って構えて戦闘の意を伝えてくる。


なんというハイスペック。
蒔風とて、この場で本気で昏倒させるつもりでぶん殴ったのに、ガード、さらに耐えられてしまったのだから。

しかし、そこでヴィヴィオをバインドがロックする。
なのはだ。彼女がヴィヴィオにもう戦わせまいとして、動きを束縛している。


だがそのバインドも長くは持つまい。
よくて五分が限界だ。


「チッ、名前に「星」でもついてりゃ楽だったんだがな」

『えげつねぇですね〜〜。あなた、自分をパパと呼んでいた女の子を、そう簡単に殴るんですかぁ?』

「殴る」

クアットロの問いに、蒔風の答えは即答だった。
その言葉に、なのはも黙ってしまった。



「ああ殴るさ。なにがおかしい?そもそも、この世界だけでなく、どの世界でもそういう事はある。知らないのか?最近では親が子を、逆に子が親を殺す事もあるんだぜ?殴るぐらいなんだってんだ。それに、憎いなら最初からこんな事しない。これはあくまでヴィヴィオのための拳だからな」

『なかなかにクソな反論ですねぇ』

「なんだ?お前ともあろうド三品が正論たれんのか?「子どもを殴るのはダメだよ!!」って?クックック、じょーだん言うなよ」

『・・・・・・』





「この世界はクソッタレだ。他人なんざ完全には信用できねぇ。人は人を騙すし、殺しだってしてしまう。どれだけ頑張ろうと悪は出てくるし、幸せな世界は崩壊する。だが、だからこそいい」

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