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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
27話『闇の蠢動』
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る事も可能なはずだがその手段を取っていなかった。
 此処で余計な被害が出てしまうと彼等の今回の作戦にも支障が出てしまうからだ。故に配下を使って手間を掛けてまで態々基地の構成員を気絶に留めているのだ。
 赤、青、白、黒と四体の己の色違いの己の分身と言うべき直属の配下だけでなく、相応な数の部下も連れてきている。…………なお、その中に一人だけ居る人間の男は魔刃達が支配化に於いている組織の構成員である。

「これか?」

 銀色のISを一瞥しながら魔刃は何処からか一本の黒い巻物を取り出し、それをISの頭部に差し込むと黒い巻物はゆっくりと溶け込んでいった。

「ふむ」

 完全に溶け込んだ後、何かを確かめるように其処に触れると満足したようにそう呟く。目的は果たした。

「良し、撤収するぞ」

『ハッ!』

「さて、こいつは始末しておくとするか」

 魔刃の言葉に揃って声を返す部下達の声を聞きながら魔刃は破壊されたISを纏った女を一瞥する。……魔刃達の襲撃に気付いて彼らを迎え撃たんと、果敢にもただ一人立ち向かったこの基地のIS乗り……………………などではなく、銀色のISの奪取を目的にこの基地に侵入したとある組織の構成員だった。
 ISを纏って魔刃達に応戦したものの一瞬で魔刃によって半殺しにされた。魔刃にしても此処でこの女が見つかり予定が狂うのは拙いと考えているため、さっさと始末しようとするが、

「お待ちください」

 唯一散在している人間の男が魔刃へと待ったをかける。周囲から向けられる殺気から一瞬言葉に詰るが、

「どうした、つづけろ」

 等の魔刃は言葉に続きを促す。そもそも、此処にこの男が来たのも本来の予定はなく、部下達はいい顔をして居なかった。

「わ、私の研究のモルモットとしていただけないでしょうか? 恐らく、『某国機業(ファントム・タスク)』の構成員でしょうから、此処で始末してしまうよりも……」

 下手な意見を言えば即座に首を撥ねられる事を理解しながら必死に言葉を続けていくが、

「……良いだろう。お前達の好きにしろ」

「っ! は、はい!」

 魔刃からの許可が出た事で魔刃の配下達は刃を下ろし、その事に男は安堵する。魔刃頑駄無には始末する意思が無く、部下達も遊び半分で武器を向けたとは知らず、哀れみさえ感じさせている。
 それなりに使い勝手のいい道具に対する死と言う鞭を与えた後、生と言う飴を与える。それでいながら、裏切る素振りを見せた時は即座に始末する準備も怠っていない。使える内は使い潰すまで使うが、重用する気は無く何時殺したところで損も無い。魔刃を含む三人の闇の化身は、その男『須郷 伸之』にはその程度の価値しか見ていない。

 彼らに目を付けられたのが運の着きかは知らないが
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