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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十九話 アイデンティティ
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バの話を思い出す。もし、オレンジギルドがわたしたちが《プネウマの花》を持っていることを知ったら、襲い掛かってくるだろう――。信じたくはないが、こうして敵対している以上彼女はオレンジプレイヤーなのだろう。そのカーソルこそグリーンではあるが、今しがた吐いた台詞は明らかに強奪者のそれだ。

「どうして……あなたは、誰なんですか?」
「いやだ、忘れちゃったの?」
「……質問が悪かったですね。あなたは、どこのオレンジギルドの人なんですか?」
シリカの敵意のこもった質問にロザリアは目を見開いた。
「驚いた、あのおこちゃまアイドルのシリカちゃんが私の正体を看破るなんてね。アンタに名乗る名前なんてない……って言いたいところだけど、いいわ、答えてあげる。アンタはどうせここで死ぬんだし。オレンジギルド『タイタンズハント』のリーダー、ロザリアよ。覚えておきなさい。」


その言葉を聞いて、マルバの脳内に閃くものがあった。『タイタンズハンド』――少し前にその名を耳にしたことがある。ギルド『シルバーフラグス』をほぼ全滅させたオレンジギルドだったはずだ。生き残ったリーダーが最前線で必死で敵討ちをしてくれる者を探していた。つまり……数多あるオレンジギルドのなかでも最低の集団、プレイヤーキラー。
ロザリアが手招きすると、それに応じるように多数のオレンジプレイヤーが姿を現した。中に一人グリーンが混ざっているが、あれはマルバが昨日取り逃がした男だ。

「シリカ、転移結晶を準備して待機して。」
「嫌です。マルバさんが戦うのならわたしも……」
マルバの視線がシリカを捉えた。シリカの瞳は真剣そのもので、決意に燃えている。
「わかっているでしょ、シリカ。君を危険に晒したくないんだ。」
「わたしだってずっと守られているのは嫌なんです。わたしも、この子を守るために、マルバさんを助けるために……戦います。」
「いや……大丈夫だ。必要ない。」

マルバは両腰の武器を抜いた。
「なんで……マルバさん!」

近づく男の一人が何かに気づいたように歩みを止めた。
「マルバ……システム外の《二刀流》……まさか、《双剣》!?ロザリアさん、こいつ、ソロで迷宮に挑んでる攻略組だ!」
その叫びに男たちは一瞬動きを止める。シリカも踏み出そうとした足を止め、唖然としてマルバを見た。かなり強いとは思っていたけれど、まさか真のトッププレイヤー、攻略組の一人だったとは。それもソロで攻略組にいるものはかなり少ないと聞く。
ロザリアも驚いたように目を見開くが、すぐに気を取り直して指示を出す。
「攻略組がなんだってこんなとこにいるのよ!短剣と投剣を同時に使うやつなんていくらでもいるわよ!それにもし攻略組ならレアアイテムだって一杯持ってるでしょ、おいしい獲物じゃない!!お前ら、殺っちまいな!」
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