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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十九話 アイデンティティ
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した顔になる。しかし、次の瞬間には真剣な瞳でマルバの目を見つめた。ピリッとした空気を感じ取ったのか、ピナがマルバの肩を離れて飛翔し、ユキはマルバの腕から飛び降りてその足元に待機する。

「……まずいこと、ってなんですか?」
「《プネウマの花》はもともとかなりのレアアイテムだ。ビーストテイマーが使い魔を失った時でなければ手に入らない。その美しさから、使用済みとなり中の雫がなくなって効果がない状態でも高く売買されるんだ。」
シリカはまだ手に持っていた使用済みの《プネウマの花》を見た。煌めく雫を湛えていなくても、相当美しいのは確かだ。
「……実は、この花の値段が急上昇しているらしい。今売れば、おそらく僕と君の装備を全部新調してもお釣りが来るレベルの値段で売れるだろう。もし……まあ、そんなことは無いだろうけど、僕たちが《プネウマの花》を持っていることがオレンジギルドにでも知られれば……きっと襲われる。」

あたりを静けさが支配した。ピナは心配そうな顔でシリカを見つめる。その視線を受け止めたシリカは、マルバに向き直って答えた。
「例え誰が襲ってこようとも、わたしはこんどこそピナを守ってみせます。わたしは大丈夫です。」
「……そっか。それじゃ、帰りは気を引き締めて行こう。念のためユキを先行させるね。ピナには後ろを見張っててもらって。やばくなったら転移結晶で逃げるように準備しておくんだよ。ほら。」
マルバは青い結晶を二つ取り出すと、片方をシリカに渡し、もう一方は自分のポーチにしまいこんだ。



「……ところで、その花、街に着いても売らないんだよね?」
「えっ、なんで分かるんですか?」
「この花を見つめた君の目で分かったよ。綺麗だよね、ピナを生き返らせてくれた恩人みたいなものだしね。」
二人は警戒しながらも会話をしながら帰路をたどる。その前方にユキ、後方にピナ。マルバは右側を、シリカは左側を索敵しながらの帰り道だ。
石橋にたどり着いたとき、それは起こった。


小さな、しかし鋭い鳴き声と共に二人の目前の空間が歪み、ユキが二人の前に姿を表した。何者かがハイディングしているのを見破ったのだ。
「誰だッ!」
マルバとシリカは武器を構え、まだ見えない敵を見ようと目を凝らす。二人の索敵スキルにより、グリーンのカーソルが二つとオレンジのカーソルが多数現れた。がさりと茂みが動くと、中からグリーンカーソルのプレイヤーが出現する。
そのプレイヤーは……

「えっ、ロザリアさん!?」
「久しぶりねえ、シリカちゃん。」
赤い服を身にまとうロザリアはシリカの肩の近くを飛ぶ小竜に視線を送った。
「その様子だとうまく手に入れられたみたいね。よかったわね。……それじゃ、さっそく渡してちょうだい」

シリカは短剣を握り直した。
先ほどのマル
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