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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
26話『闇の暗躍』
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眼の軍師の言葉に黒い鎧を纏った二人は頷く。

「それでは魔刃様、魔星様、次は奴等を使って様子を見る事としましょう」

「ほう、仲達、ヤツラか? 我等で作りあげたISと言うこの世界の武器を与えたらしいが」

 『仲達』と呼んだ軍師の言葉に最初に答えたのは『魔星』と呼ばれた者だった。ガンダム達と同じ顔をした……光の象徴たる『大将軍』の名を持った闇の支配者の一人『魔星大将軍』。

「なんならワシの配下の三羅将を付けても良いぞ」

「いえ、魔星様の配下の将を付けては様子見にはならないでしょう。それに、今回は有人機の試験も兼ねております」

「様子見か? 上手く行けばそのままあの小僧を始末してしまおうと考えている癖にな」

 ゆっくりと魔刃と呼ばれた男は手の中に在るワイングラスに入った赤ワインを飲み干すのは、かつて天宮の国で鉄器武者を操り内乱を起させた闇の支配者の一角『魔刃頑駄無』。

「人間の想いとやらを侮るなよ」

「分かっております。だからこそ……人間を使うのですよ。この世界のね」

 その言葉になるほどと言う表情を浮べる魔刃。かつて人間の想いが鍵となって敗れた異常、魔刃にとって人間を侮る事はできない。

 他の闇の支配者達が好んで精神体で居るのに対して、逆に好んで実体を持っている者達が彼ら三人である。また、彼らがこの世界で作りあげた組織のトップとして姿を見せてもいる。

「なるほど……ワシ等の配下が相手なら存分に戦えても、同じ人間が相手ならば、と言う事か?」

「ええ、デジタルモンスターとやらを捕えるのも中々骨が折れる以上、人間を使った方が早いでしょう」

 配下を復活させるのも楽では無く、同時に必ずしも全盛期の力を持っているとは言い難い。ならば、人間を使って戦わせれば良い。そして……その為の丁度いい道具も有る。

「VTシステムだったか? 有人機の改造に役に立つと言っていたシステムは?」

「ええ、研究所ごと消えて貰ったので我等の足取りを知られることは無いでしょう」

 その頃、某天災がその惨状をみて『先を越された』と地団太を踏みながら怒っていたりする。

「意識を乗っ取る昨日も使えますが、基本は補助に留めるべきでしょう。そして、核のコントロールには魔刃様のお力が有ってのことですね」

「ああ。鉄器武者と違って手間取ったがな」

「あとは手の者を使って彼女にも渡してもらいましょう。彼女が望んだ……力をね」

 そう言った三人の視線の先に有るのは『篠ノ之 箒』の写真であった。
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