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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
26話『闇の暗躍』
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る」
「…………」
「現在学園はドイツ軍に問い合わせしている。……二度目の変化も含めてな。近く委員会からの強制捜査が入るだろう」
VTシステムは兎も角、ルーンレックスの事については本当に身に覚えの無いドイツ軍にとってはいい迷惑だろう。ルーンレックスの意思はデータとして外部からVTシステムを乗っ取ったのだから……。
「私が……望んだからですね?」
―貴女になる事を―
ルーンレックスの事を知らないラウラは『だったらあの怪物は?』と言う疑問を抱くが、その小隊に行き着く手段が無い彼女にとって、その応えに辿り着く事はできなかった。確かにルーンレックスは圧倒的な力だろう。だが、
(あんな物は私は望んでなど居ない!)
かすかに覚えていたルーンレックスに取り込まれていた頃の記憶。ルーンレックスへと取り込まれた彼女の目に映る蒼い勇者はルーンレックスと言う“怪物”に挑む英雄に見えた。
そんな彼女の姿に千冬は苦笑を浮べる。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」
「はっ、はい!」
「お前は誰だ?」
「わ、私は……。私……は…………」
千冬の問いに彼女は答えることができなかった。意味が分からなかったと言うのも有るが、『ラウラ・ボーデヴィッヒ』と答える事も戸惑ってしまっていた。
「誰でもないなら丁度いい。お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒになるが良い。…………
四季
(
あいつ
)
の様にな」
何処か諦めに近い感情を抱きながら千冬は最後に聞えないほど小さな声でそう呟く。
「教官?」
「いや、なんでもない。それに考える時間は山の様に有るぞ。なにせ三年間はこの学園に在籍しなければいけないからな。その後も、まあ死ぬまで時間は有る。たっぷり悩めよ、小娘」
千冬の脳裏に浮かぶのは別れの日の四季と、再開した日の四季の姿だ。
「あ…………」
千冬の言葉に何処か晴れやかなものが浮かぶラウラ。医務室を後にしようとする千冬の背中を見送りながら、別の姿へと変わったヴレイブによってルーンレックスから救い出される瞬間の光景が思い浮かぶ。
「ああ、それから。お前は私にはなれないぞ。アイツ等の姉はこう見えて心労が絶えないのさ。それに……」
千冬の脳裏に浮かぶのは幼い日の四季の姿。……一夏や秋八の影に隠れてしまう平凡な少年だった。家でも篠ノ之流の道場でも何時も一夏の影に隠れていた印象しかなかった。唯一驚かされたのは、弟達の中で一番早く束と仲良くなった事くらいだろう。
(どこで私は選択を間違えたんだろうな)
“血の繋がりがある他人”……それが今の四季と千冬の関係だ。
「私になっても後悔するだけだぞ」
ラウラにもその言葉の意味は理解できた。……四季の事
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