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衛宮士郎の新たなる道
第23話 復讐の果て
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 黒子と別れたライダーはどの様な原理で浮いているかは判らないが、上空で士郎達とヒカル達との戦いを見守っていた。
 最初はこれで士郎達への試練になると、順調である事に満足していたが、その場に相応しからぬモロ(余分)の登場とその働きに、不愉快そうに顔を歪めていた。

 「せっかく要請(オーダー)通りに事が進められた所だったと言うのに、モロ(小石風情)が余計な邪魔を・・・!」

 要請とは勿論、士郎達に試練を与えて成長を促す事だ。
 先程までいい感じに一触即発状態だったのをモロに潰されて、非常にご機嫌斜めの様だ。

 「・・・・・・使う気は無かったが仕方がないな」

 ライダーは、自分の右腕に刻まれているタトゥーのような模様―――異端令呪に触れながら嘯いた。

 通常の令呪が魔術師がサーヴァントに良くも悪くも強制力を与えるモノならば、異端令呪とはサーヴァントが魔術師や他のマスターに強制力を与える術式。
 これはライダーが令呪のシステムを研究して創り出したオリジナルの術式である。
 ヒカルが外での活動を可能とする為に埋め込んだ機器の中に、これを前以て仕込んでいたのだ。
 普通の呪いのギアスなどではアヴェンジャーに感づかれる危険が有ったのと、せっかく作った術式なのでこれを機会に試せればと、一応忍ばせておいたのだ。

 「異端令呪を以て命じる。目の前の人間を切り伏せろ」

 容赦なく躊躇なく、さも当然の様にヒカルに強制の命令を送った。
 強制させるヒカルとこれから切り裂かれるモロの2人を嘲笑うかの様に口角を僅かに釣り上げて。


 −Interlude−


 モロが自分を庇う様に前に出たのと同時にそれは来た。
 まるで電流に打たれた様にヒカルの体は突如自由を失う。

 (え?なに?何で体が言う事利かないの?)

 意識自体はハッキリしているのに、自分の腕が足が自由に動かせない事に戸惑うヒカル。

 (それは先生が護身用にくれたナイフだ、けど・・・。如何して私はそれを使おうとしてるの?いや!?ちょっと待って!!)

 ヒカルの意思とは無関係に、左腕がポーチから護身用に授けられたナイフを取り出してから歩き出す。
 勿論そのナイフの使われる目的と向かう先は――――。

 (やめて、やめて止めてやめて止めてやめて止めてやめて止めてっ!!駄目、ダメダメダメっ!避けて師岡君っ!!?)

 モロを背後から容赦なく切り裂く事だった。

 「モロぉおおおおお!!?」

 仲間が切り伏せられたことに憤激に駆られた百代は、力技で周囲のオートマタを薙ぎ払ってモロの下に駆けつける。

 「モロッ!しっかりしろ!?」
 「モモ先ぱ・・・ぃ・・・・・・」
 「モロ・・・?寝るんじゃない!起きてくれ
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