§XX-新年と元旦と魔王様
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んだ時点では家族しかいなかった。だいたい恵那は清秋院家のうんたらこうたらとかいって帰った筈では無かったか。
「……やっぱ聞いてなかったかー」
肩を竦めながら義妹が雑煮をつつく。
「初詣の手伝い終わったられーとさん家に行くからって、ビアンキさんに伝言頼んだんだけど……」
「ダヴィドぉおおおおおお!!!!!!」
「恵那姉さんが大荷物しょってきた時は思わず寝てる兄さん蹴り飛ばそうかと思いましたよ」
「そうだそうだ。こんな良い子ほったらかしてゲームとか情けない……恵那ちゃんごめんなさいねうちのドラ息子……いえ馬鹿息子が」
「いえいえ、伝言頼んだだけで黎斗さんに直接伝えなかった私にも問題ありますし」
すげぇアウェーだ。でも、話を聞いていると自分が確実に悪い。
「……ごめんなさい」
言ってくれれば迎えに行ったよ?ホントだよ?、なんて言っても言い訳に過ぎない。でもせめて。
「せめてメールで連絡ください……」
「あ! その手があったか!」
「忘れてたんかい!」
「いやー、ほら恵那最近ケータイを携帯してなかったし。……てへっ☆」
「どっちにしろ爆睡してた兄さんには何も言う権利ないと思います」
「…………」
新年の計は元旦にあり、とは言うけれど。初っ端からこんなオチか。
「あー、雑煮うめぇ……」
人参と大根、いくらとなると。これだけで何杯でもいけてしまう。
「れーとさんれーとさん。あーん、ってしてあげようか?」
「あらあら、若いわねぇ……」
「恵那姉さん大胆ですね……」
「家族の前でとか恥ずかしすぎるわ!!」
「あらあら照れちゃって。……それならお母さんたち席外しましょうか?」
ニヤニヤ笑いの家族を前に、顔が真っ赤になるのがわかる。
「〜〜ッ!!」
これ以上ここに居れない。一刻も早く立ち去らねば。口の中に無理やり雑煮を押し込んでいく。味も何ももうわからない。案の定、熱々の餅で舌が火傷した。
「----!!」
「あぁ、もう。ハイお水」
恵那が差し出してくれた水を脇目も振らずに飲む。
「……ん、ありがと。死ぬかと思った」
「黎斗、餅は喉に詰まりやすくて危ないんだからよく噛んで食べなさい」
「……はい」
「母さんとお婆ちゃんが兄さんをからかい過ぎるから……」
すまし顔できな粉餅を食べる義妹に白目をむける。目を逸らされた。
「くっ……」
―――
「で、初詣、と」
ぶっちゃけ羅刹の君が初詣、ってのも面白い話だよなぁなどと現実逃避をしているのは予想外の事態に頭がついていかないからだ。人生初の家族以外との初詣だ。
「何遠
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