§XX-新年と元旦と魔王様
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で下に降りていく義妹を見て、一安心。
「あっぶねぇ。すっかり洗脳出来ないの忘れてた」
「傍から聞くとその台詞問題ありまくりですよね。マスターの好きなゲームとかにありそうじゃないですか? 義妹を洗脳して煩悩にまみれたことやるようなやつ。……まぁマスターにそこまでやる勇気ないの知ってますけど」
バスケットから呆れたようにエルが顔を出す。しかし酷い言い様だ。
「そんな洗脳系は持ってないわ。普通の純愛ものだわ」
「真顔で返されてもドン引き以外のリアクションとれないんで私」
本当に酷い。
「それにしても……シスコンですねぇ。洗脳まで駆使して毎年お年玉って何考えてるんですか?」
「うっさい」
多少自覚はある。多少だけど。
「まぁいいですけど。目覚まし時計の針で洗脳って出来るんですね。私そんなの初めて見ました。あと、あけましておめでとうございます」
「あー、あけおめでした。今年もよろしく」
このやりとりもう何百回目だろう。そう思えば
「……このやりとり何百回目ですかね?」
同じことを返してくるキツネに笑いながら答える。
「さぁ?」
キツネの含み笑いを背に下に降りていく。ご飯食べた後で二度寝するつもりなので着替える気は毛頭無い。リビングでにぎやかな声。これは自分が一番最後か。
「……あけましておめでとうございます。いつもお世話になってます」
リビングを素通りして、仏壇と神棚へ。手を合わせて、祈る。今年もこの家族が幸せでありますように、と。余計なお世話だ、なんてこの家族のご先祖様から叱られるかな、などとうっすら笑いリビングへ。
「あけましておめでとうございますー」
リビングを開けながら挨拶をし、自分の席に座る。向かいに義父、左隣に義妹、義妹の向かいに義祖母。義母はコンロの前で雑煮を盛っている。右隣に恵那がいるから恵那の向かいが義母か。
「はい、れーとさん」
右から渡されたお茶を飲んで一息。
「ふぅ。あ、ありがとう」
「ふふっ、どういたしまして」
感じる違和感。
「…………ん?」
なんか一人家族じゃない人がいるような?
「どしたの? 黎斗さん?」
不思議そうにこっちを見やる恵那。
「なんで恵那いるの!?」
「……兄さんうるさい」
「黎斗、元旦から元気だな」
「お父さん、黎斗の場合元気なんじゃなくてうるさいだけよ。ホント中学までは大人しかったのに……」
「いやいや、元気なのは良いことじゃて」
「いや待って僕の疑問は正当だ間違いなくってゆーかなんでみんな受け入れてんの」
黎斗の記憶が正しければ昨晩はいなかった筈だ。年越しそばを食べて布団に潜りこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ