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第七十六話 誰が邪魔をしやがるのですか?!
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以来、そのような大言壮語を吐く輩は少なくなってしまったのだ。
地球(テラ)に誓いまして、必ず・・・。ですが、その代わりにいささか侯爵夫人にお骨折りいただきたいことがござります。」
「よいぞ。ただし、それはアンネローゼと弟の首をここに持ってきてからの事じゃ。」
「無論の事。」
「待て。シュザンナ。」
ゴッドホルン子爵がベーネミュンデ侯爵夫人を制した。
「要求を呑むのはこの男の求めている者を聞いてからだ。無体な要求をかけるのであれば、いかにグリューネワルト伯爵夫人とローエングラム伯の首を対価にしたところでいささか価値が違いすぎるというものだ。」
「これはこれは、中々手厳しいですな。」
不満そうなベーネミュンデ侯爵夫人とは対照に、ド・ヴィリエは声を上げて笑った。
「ですがそのような心配は無用。私が欲するのはごくささやかな話です。」
固唾をのんで見守る出席者にド・ヴィリエは軽く両手を広げて見せながら、
「わが母なる地球の教えをいささかこの帝都に広めたく思っております。その御許可を正式にいただけるよう皇帝陛下にお話しいただければ、と。」
地球教の布教は非公式ながら帝国においても行われていたが、ド・ヴィリエは公認の宗教として認めてほしい旨を要求してきているのである。
「なんじゃ、そのようなことか、たやすいことじゃ。」
ベーネミュンデ侯爵夫人がすぐにうなずく。
「妾から陛下にお話し申し上げることにする。じゃが、忘れるな。それはアンネローゼとあの弟の首をここに持参してからの事じゃ。」
「承知いたしております。では、これにて・・・・。」
ド・ヴィリエは頭を下げ、室内を退出していった。
「あのような輩に任せておいてよいのですか?」
シュライヤー少将が声を上げた。気圧された様に何も言わなかったというのに、当の本人が退出したとたんにこれだ、とエルラッハ少将らはあきれ顔をしていた。
「手段は多い方がいい。」
エルラッハ少将は言った。
「それに、あの男、あのような大言を吐くからには何かしら策があるのだろう。失敗すれば切り捨てればよいだけの事だ。」
ベーネミュンデ侯爵夫人はそれにうなずきを示した。
「それでよい。たとえどのような輩で有ろうともアンネローゼ、あの弟の首を持ってくればそれでよいのじゃ。」
ベーネミュンデ侯爵夫人が薄く笑ったが、その瞳にはぎらついた狂気のような色が宿っていた。

ベーネミュンデ侯爵夫人の居間を退出したド・ヴィリエはゆったりとしたローブのフードを被りなおすと、人気のない廊下を歩いていく。一度も振り返ろうとしなかった。
「あのような男が邸に来るとは、侯爵夫人は何を考えておられるのだろうか・・・。」
グレーザー医師がそっと物陰から男の後姿を見守りながらと息を吐いた。
「もはや手段を選んでおれなくなった、とい
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