31真琴の危機、魔物の引っ越し
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すからごゆっくり」
妖狐の一族としての勤めを果たすために、使い魔が憑いた悪鬼羅刹を狩るべく集結し、下で仲間の仇を討とうと待ち構えている連中を感じ、三階の通路から飛び降りて悪魔の翼を広げ、地面に降り立つ栞。
「さあ、準備だ。この拠点は捨てる覚悟で行こう、服や下着は最低限、金で買えるものは全部捨てろ。ビデオやメモリーカード、写真や貴重品だけを持て。お嬢の持ち物は私が持ち出す、お前の伝承もコピーは捨てていけ、いいな?」
「ああ、分かったよ」
人払いが行われている外では、数人の術者の壮絶な叫び声が響き、拳銃の発射音まで聞こえたが、あっと言う間に鎮圧され、使い魔たちに捕食される悲鳴だけが残った。
「あれ、皆さんそんな軽装でいいんですか? 学校の準備はしないんですか?」
「構わない、元々学業などどうでも良い、まずは生き延びること、それから術者としての興味や信仰を守って、できれば体の強化をしたい」
「アタシも」
「ええ、教科書とかノート、どうせ学校のロッカーに入れっぱなしですし」
「そうですか、じゃあ行きますよ」
(行ってらっしゃい)
(またね、栞ちゃん)
「行ってきま〜す」
魔物たちを置いて、縮地を使って消えた栞。一弥と天使の人形は持ち帰り可能な保存食の作成に勤しんだ。
秋子の家。
「そろそろ夕食の準備もしましょうか? ご飯は沢山炊いてますから、おかずは何がいいですか? 名雪、大勢ですから何か買ってらっしゃい」
「うん」
修羅場の数々を知らず、風呂にも入ってサッパリした名雪ちゃん。見覚えのない子がソファーで転がっていたが気にせず放置、また戻って来た月宮真琴もいたが、とりあえず無視した。
「お夕食時までお邪魔してすみません、佐祐理も何か買ってきます。あ、家に電話したいのでお借りしてもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
佐祐理が買い出しに席を立ったので、自動的に舞も立って警護に付いた。美汐は卒倒したまま、真琴は怯えた目をしたまま祐一から離れようとしなかった。
「佐祐理です、爺やですか? 遅くなってすいません。今、一弥といっしょにいるんですけど、お夕食はこちらで頂いて帰ります。ええ、「水瀬秋子さん」のお宅にお邪魔してるんですけど、できれば私の分の夕食や、他の皆さんの軽食か食材を配達して頂けませんか?」
爺やと呼ばれた年配の運転手は、妖狐の血族である秋子様の家にお嬢様が居ると聞いて、心拍と血圧が上がりまくった。
川澄一家の失態で災厄が起こり、その怒りを鎮めるために駆け回り、先代当主と一緒に川澄一家を狩りだした過去を思い起こし、壮絶な災厄の根源に身を震わせた。
「お嬢様、先ほどお会いしたユウイチさんと言う方は、もしかすると「相沢祐一様」でしょうか?」
「え? 一弥の事ですか? そうですけど、爺やも知ってるんですね
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