31真琴の危機、魔物の引っ越し
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佐祐理お姉さまにお願いしたいのです、もう私達は弱いままでは嫌です、他の使い魔を私達にも宿して頂けませんか?」
「ええ、構いませんよ」
残り三人も味方に引き込めるようなので、気軽に引き受けた佐祐理。手始めに美汐の中に宿る魔物を引き出すことにして、美汐を叩き起こそうとした。
『起きなさい、美汐。貴方の魔物が必要です、舞の右足だけでも起きなさい』
「私か? どうするつもりだ」
目を開いた美汐は魔物の声で答え、舞の右足として起動した。
「凄え、使い魔だけ起こして会話してる…… そうだ、ビデオを撮らせてくれませんか?」
記録マニアのザコ一号が、またビデオをねだったので、佐祐理はカメラバッグを漁り、新しいテープを入れて三脚と合体させた。
「美汐のお婆さんにも見せて、安心させてあげたいですね、ダビングして貴方も持っていなさい」
「はい」
美汐の前にビデオカメラが設置され、まるでAV撮影前の自己紹介シーンのように、ソファーに座ってカメラに向かって話をさせられる舞の右足。
もう佐祐理のオーダーでアルター能力に支配され妹になり、お姉様の命令通り動くらしい。
『舞の右足、貴方の自己紹介をなさい』
「分かった。私は川澄舞から追い出された右足の魔物、喜怒哀楽の楽の感情と羞恥心を持つ。属性は土、術者の能力によっては地震を起こしたり、ゴーレムを作って使役させられる。私が強化して不老不死の体を与えた天野美汐には様々な能力を書き加えたが、この女は後ろから蹴ろうがタックルしようが、男に近寄ろうともしないガチガチの堅い女で苦労している。解決方法があれば教えてくれ」
録画はしているが、使い魔がビデオに向かって自己紹介するという異常な事態に興奮し、メモも取っているザコ一号。
美汐には地味ながらも「不老不死」なる人類の夢が与えられ、ロブスターとかポリプに変化して永遠に生きるクラゲみたいになり、他のBBAになって劣化する女と違い、永遠の十六歳で貧乳、という珍しい属性を得た。
「美汐の強化が終わってるなら、他の子に移るほうが楽よ、この三人の中から、相性が良さそうな子を選びなさい」
佐祐理に勧められ三人を見比べると、真ん中にいるジメジメしていて暗い性格で、幸薄そうな顔をして、実際不幸な女を見てピンと来て、栞の次に「穴掘って埋まってます〜」みたいなセリフが合いそうなチョロインさんを見初めた。
「その真ん中にいる女、お前が良い、中に入れろ」
「そこを動かないで、録画中よ」
席を立ったが佐祐理に注意され、男優役?のチョロインさんが移動して美汐の隣りに座らされて抱き寄せられた。
「え? 直接移動できるんですか? 相沢くんやお姉様を介さないでいいんですか?」
「私が望めばどこからでも入る、耳からであろうが、鼻であろうが構わない。人間は下らないまじないを信じ
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