第四話「IS学園」
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そして、一夏はセシリアに指をさしてこう宣言する。
「いいぜ! その勝負乗った!!」
その言葉に、僕たちは手を額に当てた。
「あっちゃ〜……俺は知らねーぞ?」
ジュドーは、そう一夏の言葉に呆れてしまう。
「……ところで、ハンデはどんぐらいつけるんだ?」
次に一夏はそう言いだした。つまり、セシリアに対してこちらはどれくらいの手加減をすればいいのかということだ。
しかし、その一言が周囲の生徒たちのツボに入り、一斉にドッと笑い出したのだ。
「あはは! 何言ってるの? 織斑君?」
「そうだよ? 男が強かったのって、もうずいぶん昔の話だよ〜?」
「大体、織斑君は代表候補性を舐めすぎだよ?」
そう、嘲笑するかのように、生徒たちは一夏を見て笑った。
「何がおかしい……!」
しかし、その笑いを打ち破ったのがカミーユである。
その一言で周囲は沈黙に包まれ、その空間でカミーユは静かに席から立ち上がった。
「お前たちから、『IS』を取ったらほかに何の『力』が残るんだよ?」
その、カミーユの静かにも力のある口調に対し、周囲の女子たちは何も返そうとはしなかった。返そうにも、カミーユの気迫によって周囲の生徒たちは完全にそのオーラに押されてしまっているのかもしれない。
「答えろッ!!」
彼のその怒号に、周囲の中には固まったり、震えたり、または半泣きする女子まで続出した。
「お前たちは、ISが無かったら何もできないのかよッ!?」
それがトドメとなり、ついに失禁してしまう生徒まで現れたのだ。
だが、そんな彼の発言を認めずと勢いよく席から立ち上がった生徒がいた。当然とは思われるが、セシリアである。
彼女は先ほどから言いたい放題に怒鳴りまくるカミーユに対し、顔を真っ赤にして怒りだした。
「お黙りなさい! あなたには関係ない事よ!?」
「関係ないわけないだろ! そんなに女が最強だっていうなら、一度俺と素手で勝負して勝って見せろよ!!」
「野蛮な……! そもそも、あなたの名前からして女性かと思ったから、仲良くして差し上げようと思ったのに……実際は『男』でしたのね?」
そう気高く笑う彼女に対し、カミーユのスイッチが入った……
ゴゴゴゴッ……
やばい、嵐が来る……カミーユが邪神になる! 僕は知らないから……もうセシリアの死亡フラグは絶ったね? 本当に僕らは知らないから……
僕達は、くわばらと手を合わせて念仏を唱え始めた。
「今何て言ったっ……!?」
カミーユは席から立ち上がり、セシリアを見る。
「何度でも言って差し上げますわ? 女性のような名前だから……」
「カミーユが男の名前で何が悪いっ!?」
ボゴォ!
すると、セシリアの顔面にカミーユの鉄拳が襲いかかった。ああ……僕知ーらないっと。
僕達は一斉に目をそらす。
「俺は男だよ!
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