第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜魔法少女、戦闘〜
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玄武が意気揚揚をよそおって言う。
だが、そう高々に宣言したところで、玄武の身体はかなり限界に近いのは確かなのだ。
フェイトの一撃だけではない。
今まで玄武はその防御力を以ってケルベロスの周囲を回り、攻撃を弾き、防いできた。
だが相手はケルベロス。たとえ防御をしたとして、いかに玄武でも耐えられるのは二、三撃がせいぜい。そこから先は、鈍く重い攻撃が、玄武の身体に浸透、蓄積されていく。
そこにあれだけの大質量の水を出し、フェイトの攻撃をケルベロスもろとも食らったのだ。
これだけ摩耗していて、まだこれだけ声を張れるだけでも十分だった。
一方フェイトも、全く無傷、というわけではない。
ケルベロスの攻撃の大半は玄武が受けてはくれたものの、それとて完全にではない。
どうしてもこちらに攻撃は来るし、それを避けるにも最大動作を要した。
紙一重なんかで捌こうとすれば、その勢いによる風圧に引っ掛けられ、次の攻撃で落ちてしまうからだ。
更に言うなら、ここはAMFの濃度がゆりかご周辺ほどではないが、濃い。
そんな中で回避に全力を注ぎ、その間を縫って攻撃し、最後にあの一撃を叩き込んだのだから、体力、魔力共にかなり削られている。
大体全快時の40%程は残っているが、六割使って頭一個なら、すべて潰すのには、さらにその三倍。
この敵は厄介だと、フェイトは改めて思い知った。
攻撃、疾走、広い視界
そのどれもが面倒この上ないくせに、更には二回までは頭を犠牲にできる。
これを厄介と言わずなんというのか。
「やあやあ、どうしたんだい?もうおしまいかな?フェイト・テスタロッサ・ハラオウン?」
「!?」
と、そこにいきなりドームの扉が開いて、スカリエッティが戦闘機人、ウーノとトーレをひきつれてやってきたのだ。
それに伴い、ケルベロスが大人しくスカリエッティの後ろに下がって行った。
おそらく、「奴」からある程度の権限はもらっているのだろう。
いきなり現れたスカリエッティに、驚きを隠しきれないフェイト。
なぜこのタイミングでやってきたのか。
だが、フェイトは自身の身体を以って、その理由を思い知る。
スカリエッティの方へと視線を向けていたフェイトは、一瞬のうちにバルディッシュを弾き飛ばされ、地面に倒れ伏し、トーレに押さえつけられていたからだ。
少し離れた場所では、すでに玄武が倒れていて、赤い糸のような魔力糸で縛られている。
おそらくはヴェロッサもシャッハも同じ状態だろう。
トーレ
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