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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
ボス線への誘い
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―の説明を聞いてアスカはなるほどと思った。
複数人で一体のモンスターに攻撃を仕掛けたら、アスカがよく使うリニアーのような突き技や縦斬りのソードスキルはともかく、横切りのソードスキルを使うと、味方まで切る可能性がある。パーティー登録をしたプレイヤー間ではダメージは入らないが、ソードスキルがぶつかることによりノックバックは生じる。
つまり大型のモンスターでも相手にしないかぎり、味方が邪魔になることの方が多いのだ。
今までパーティーを組むことのメリットが分からなかったアスカだが、この戦術を聞いて納得する。〈スイッチ〉を使えば、HPが減った仲間の代わりに戦闘に参加することができるし、ソードスキルを防いだことによって硬直している敵に先制して攻撃を行うこともできる。実際、〈スイッチ〉を理解してからは少女との連携でいつもより楽に敵を倒すことができた。
おかげでアスカと少女の2人は最短時間で街に戻ることができた。

第1層迷宮区に最も近い街〈トールバーナ〉に着いた2人はすぐにショップに入り、少女が着るコートを買った。先ほどと同様の黒色のフードケープを羽織った少女は安堵したようにほっと息をつき、アスカにコートを返す。

そこで別れるつもりだった。
もともと、同伴するつもりもなかったのだが、高くはない布装備とは言え、ただでコートを譲るわけにも行かず仕方なく一緒に街に帰ってきただけだ。
さすがに今からもう一度迷宮区に帰る元気も時間も残っていないが、宿屋で少し睡眠を取れば明日の早朝には再出発するつもりだった。
返して貰ったコートを羽織りながら、アスカは別れの挨拶を済ませようとする。
しかし、その少女が先にアスカに声を掛ける。

「君はまた迷宮区に籠もるつもりなの?」
「ああ・・・」
「・・・・君は、モンスターを倒すために迷宮区にいたんだよね?」
「それがどうした?」
「じゃあ・・・わたしと一緒にボス攻略に参加しない?・・・・第1層で最も強いモンスターを倒しに」
「何・・・?」

ボスという言葉に反応するアスカ。
アスカが興味を示したことにより少女がさらに説明する。

「うん。今日の夕方4時からこの〈トールバーナ〉の中央広場でボス攻略会議が行われるんだ。どうする?」

興味が無いわけでない。
この世界に負けないため、強敵を刺し殺し続けてきた。
ボスとはつまり、2千人のプレイヤーの命を奪った第1層の最難関門。
間違いなく迷宮区のモンスターよりも数段強いのだろう。
逃げるわけにはいかない、そう考えたアスカは、

「分かった。俺も参加する」

と答えた。



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