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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
ボス線への誘い
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ンジョンにいるはずのアスカですら、いままでダンジョン内で女性プレイヤーを見たことはほとんどない。目にしたとしても,大人数のパーティーに混じっているだけだった。
それは目の前の少女がソードアートオンラインで唯一の攻略に参加している女性ソロプレイヤーであることを意味している。

アスカにはパーティーメンバーで集まった野郎どもならともかく、こんな可愛らしい少女が1人で命を失う危険が高い攻略に参加する意図が掴めなかった。

お互いに無言の状態が続く。
なぜあんたみたいな女性プレイヤーがこんなところにいるんだ?とアスカは聞きたかったが、いきなり女性にプライベート丸出しの質問をする事が憚られてしまい、口を開くことができなかった。

かつん、かつん
沈黙の降りていた2人の近くを誰かが歩く音が聞こえた。
足音の数から恐らく複数。しかも足音がだんだん大きくなっていることから近づいてきていることが分かる。
途端に焦り出す少女。やはり女性プレイヤーであることを知られたくないようだ。
慌てて足音の聞こえる反対方向に走り出そうとするが、その先は行き止まりの安全地帯しかないので、鉢合わせせずにやり過ごすことは無理だ。
少女も分かっているのだろう、顔を青くしながら挙動不審になる。
アスカはため息をつく。アスカにはそこまで女性プレイヤーであることを隠していたいという少女の考えなど理解できるわけもなかったが、目の前で大慌てしている女性を他人だからと放っておくことはできなかった。
羽織っている茶色のコートを脱いで、少女に放り投げる。アスカの方など見向きもしていなかった少女の頭にコートがばさりと掛かる。

「え・・・?」
「さっさと着ろ。ばれたら困るんだろ?」

なぜこんなことをしているんだろうか、と思わないわけでもなかった。死を受け入れようとしていた自分のことを邪魔されたのだ。コートを貸すことだって、アスカはもしも自分が他人にそんな扱いを受けようものなら「ほっとけ」の一言で一蹴するというのに。

「ありがとう・・」

少女は小さな声で、しかし透き通った声でお礼を言うと、すぐさまコートに袖を通してフードを被る。茶色なので髪の毛が目立つこともない。
少女がフードを被り終った直後、足音の主の一行が姿を現す。
一瞬、安全地帯のすぐ近くのフィールドで立ち止まっている2人に怪しむような視線を向けてくるが、そのまま2人の横を通り過ぎて安全地帯に進む。
ダンジョンに潜っているようなプレイヤー達は基本的に己のステータスアップを目的としている。偶然出会ったプレイヤーと馴れ合おうとする者はそうはいない。

男達の姿が完全に見えなくなったところで少女は大きく息を吐き出す。
アスカにコートを返そうと、脱ぐような素振りを見せるがアスカはそれを止める。

「着
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