第三十七話 リュエージュ防衛戦・前編
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『いくら王太子殿下とはいえ、我らを賊軍とは無礼ですぞ! 我らは道を踏み外した王国を正しき道へと戻す為に挙兵したのです! 言わば我らは世直しの為の正義の軍勢である!』
『正義の軍とは恐れ入る! その正義の軍はここまで連戦連敗、負けに負けて負け続け、略奪行為をするまでに落ちぶれた。そんな貴様らを支援しようと、どれ程の者が集まったか! 見ればガラの悪い傭兵ばかりではないか! 世直しの軍が聞いて呆れる! さあ皆! 笑ってやれ!』
舌戦の総仕上げにマクシミリアンが、城壁の兵士達に促すと、数百人もの兵から反乱軍への侮蔑の笑い声が響いた。
『ハァ〜ハッハッハッハ!』
『ウェヒヒッ』
『m9(^Д^)プギャーwww』
「おのれ! 言わせておけば! 首を洗って待っていろ!!」
マクシミリアン軍の兵達に散々笑われた使者は、怒り心頭のまま馬を翻し敵本陣へと戻っていった。
「さぁ、来るぞ……戦闘準備!」
「御意! 殿下は安全な場所へお下がり下さい」
「早々に後ろへ下がったら士気に関わると思うんだがね……まぁ、ともかく後は任せたよ」
「御意」
マクシミリアンは後方の見晴らしのよい塔に移動すると、塔の見張り台の所で執事のセバスチャンが対戦車ライフルに二脚を取り付けて狙撃の準備を行っていた。
「セバスチャン。指揮官を優先的に狙ってくれ」
「ウィ、殿下、お任せ下さい」
マクシミリアンは食料や予備のライフルが入った木箱の上に乗り胡坐をかくと、それと同時にリュエージュ市内の鐘という鐘が一斉に鳴り響いた。
「いよいよ戦闘開始か。それにしてもうるさい」
誰に聞かせる訳でもなく、マクシミリアンは独り言を言った。
リュエージュの守将に抜擢されたグリアルモントは戦闘開始の号令を発すると、正門正面の陣取った反乱軍も20メイルの巨大ゴーレム5体が出現させた。
「ゴーレムだ! でっかい岩を持っている!」
城壁の兵士達からどよめきが起こった
「先手必勝だ! 撃てぇーっ!」
「了解、一斉発射!」
高い城壁の上に設置された前装24リーブル砲が次々にが火を噴き、数発の砲弾はゴーレムの足へ直撃し1体がバランスと崩し転倒した。ちなみに砲弾は、現代の様な爆発する特殊な砲弾ではなく、旧式のただの丸い鉛玉だ。
転倒したゴーレムを除く4体のゴーレムはオーバーハンドの投球フォームで、手に持った岩を城壁目掛けて放り投げた。
「来るぞ!」
兵士が声を上げると、岩は硬い城壁ぶつかったが城壁はびくともせず岩は砕け落ちた。
「弾込め急げ!」
砲手は手馴れた手つきで再装填を行った。
前装砲の為、普通なら時間が掛かるが、反乱軍が遅れたお陰
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