最終章 無明編
第68話 派閥
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!」
布束は拳銃を取り出すとトビの面に狙いを定め始める。
「へー、じゃあ」
トビは指を鳴らすとメイド姿のミサカが盾になり腕を広げた。
「あ、ああ......」
布束の銃口が震え始めた。前に心の底から助けたかったクローン人間が恐怖を持たずに真っ直ぐ布束を見詰めている。
ひ、引けない......
弾けるはずがない......
私財を投じてマネーカードを路地裏にバラ撒いて残虐な実験を妨害していた。
計画が別の計画に引き継がれた際に呼び戻されて、クローン体の外部演習のためにビルの屋上に出た時のクローン体の一言が全てを変えた......
外の空気は甘いのでしょうか
辛いのでしょうか
外部の空気はおいしいと教わりました
様々な香りが鼻腔を刺激し胸を満たします
一様でない風が髪をなぶり身体を吹き抜けていきます
太陽光線が肌に降り注ぎ、頬が熱を持つのが感じられます
世界とは......こんなにもまぶしいものだったのですね
布束はその時から彼女達が造り物ではなく、ありのままの世界を描写する人間らしい姿に閉口してしまった。
だから、彼女を助けたいというゼツ達の言葉を鵜呑みにした結果がこれだった。
「み、見ないで......何も理解していないような目で私を見ないで......」
このまま弾丸を発射すれば身体は裂かれ、血が飛び散るだろう......
それに反応する感情なんかプログラムしていない......これからのはずだった。
左手に持っている完成させた感情プログラムのメモリを握り締める。
ここがどれだけ酷い場所か
どれだけ悲惨な場所を感じて貰うために
ありのままに世界を表現したようにありのままの感情を満たして、全てを投げ出して逃げて欲しい
お願いだ......
天道は掌を布束に向けると強大な斥力が発生し、布束を壁に叩きつけた。
神羅天征
「エラーの痛みを知れ」
「がはっ!?」
スルリと感情プログラムのメモリが左手から滑り落ちて、トビはそれを意気揚々と拾った。
「おー、これが感情プログラムっすか.......これで一気に最終段階まで進めるっす。これでも感謝してるんすよ。オイラ達には人間の感情なんざ知らないっすからね〜」
布束からメモリを奪い取ると面の下で軽く舌を出した。
めり込んだ壁から解放されて四つん這いになる布束の首元に冷たい感触が走りだした。
「!?」
「どうするの?計画をバラされても面倒だし処分する?」
女性のふくよかな身体のラインを投影した液体金属が腕を鎌のように変質させて布束の首に押し当てていた。
警策の能力
『液化人影(リキッドシャドウ)』
比重20以上の液体を自在に操る。
腕を武器に変えたりと高い戦闘能力と数百キロ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ