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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#45
FAREWELL CAUSATIONX〜時ノ雫〜
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天壌の劫火” とも在ろう者が情けない。
心配せずとも 「役目」 が終わったら同じようにして差し上げますわ。
その時は虚勢も失せ、私に感謝さえするかもしれませんわよ。
寧ろ、それまでお兄様を抑える事の方が
骨の折れる仕事かもしれませんわ。
フフフフフフ……」
 無傷で全員(たお)せるのに一人で終わらせる莫迦はいない、
力に緩急がつけられないため全力で行使していたが
それでも生き残ったアラストールに深謝、
否、その必要はないのか? 
正 義(ジャスティス)』 は屍骸を自由に操る事が出来るのだから。
 自分達と較べて “こいつら” は甘過ぎる。
己の生命は要らぬとばかりに掛かって来るくせに、
仲間の窮地とあらば例え犬死になろうとも
スベテを度外視して救おうとする。
 その結果全員ヤられていれば世話は無い。
自分達は、勝利の為ならスベテを棄てる事が出来るというのに。
 一人迷った子羊、 「全体」 の為ならば、
躊躇い無くそれを屠る覚悟が在るというのに。
 何れにせよ終焉(オワリ)、この超熾烈なる総力戦で無傷な者など皆無。
紅世最強の王さえ完膚なき迄に叩き潰した能力(チカラ)に、
少女の高揚は常軌を逸脱する。
「エンヤ姉サマと私の “霧” は無敵ですわッ!
喩え歴代の全フレイムヘイズが一斉に掛かって来ても、
手も足も出せませんわッッ!!」

 


“そうでもねぇぜ――!”




 唐突なる第三者の声、 『正 義(ジャスティス)』 の射程圏内を探査する迄もなく、
その声はアラストールの胸元から発せられていた。
『フ……フ……フ……』





 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!




 ズタボロの黒衣から力なく抜き出された手、
滑らかな光沢のある真紅の携帯電話。
 アノ、 『正 義(ジャスティス)』 に囚われた最初の瞬間、
陽炎を犠牲にして一時的に逃れた時、
結界を発動する以前にアラストールは黒衣の中で既に発信していた。
 封絶の中でも通用する携帯電話、
戦車に踏まれても壊れない頑強さ故に
竜鱗の裡側で死守すれば、此方の状況は相手側に筒抜けとなる。
 無論聴こえるのは音のみ、声のみ、叫びのみ、
だがその僅かな情報を紡ぎ合わせて明確な本質を洞察出来る者は、
アラストールが生命を託しても(よし)と想える者は――!
『奢れる者……久しからず……か……
言ったぞ……慎まやかに振る舞いさっさと討てと、な……
無論 “そうしない” 公算も、高かったが、フ、フ、フ……』
 莫大な力を保有し、傍若無人に暴れ回るだけなら
誰でも出来る
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