第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜奪われる未来〜
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
特にエリオとキャロはそうだ。
いつだって強かった彼が、たった一人の敵に対して、この重傷。
目がうつろで、足はふらつき、片腕がなく、しかも切り口からは血が吹き出ている。
そんな彼の姿を、一体誰が想像しただろうか?
「ヴィヴィオを・・・・返せ・・・・・」
「いかんなぁ、蒔風。今お前を殺しときたいのは山々なんだが、もう少しでテスタロッサ・ハラオウンが来てしまう。あれの相手もするとなると非常にめんどうだ。だから・・・・」
そう言ってふわりと消えて行く「奴」
空間が歪み、その中に去って行こうとする。
「ここは引くさ。計算も終わってないからな」
その言葉に、蒔風の目がガッ!!と開かれる。
「返せって・・・行かせねぇって・・・・」
ブシッ!!!!
「言ってんだろ!!!」
そこで蒔風が飛び出した。
左の肩口を押さえていた右手を放し、拳を握って「奴」を殴り飛ばそうと踏みこんで跳躍する。
瞬間、左肩口から一気に血が噴き出し、足元を染め上げるが、そんな事で蒔風は止まらない。
自らの死などでは、蒔風の足を止めることなどできない。
だがやはり限界はある。
「奴」はため息をひとつつき、めんどくさそうに蒔風を蹴り飛ばして、その場から消えて行ってしまった。
だが蒔風はそれも見えていないのか、立ち上がって血を噴き出しながらヨロヨロと周囲を見渡して、どこともなく歩きだそうとした。
「行かせねぇぞ!!返せってんだ・・・ガキを返せ!!!そいつを巻きこまないでやってくれ!!もう勘弁してやれよ!!!・・・クソ・・・今行くぞ・・・・・・待っていろ・・・・おにーさんが今、助けに・・・・・」
そこまで言ってついに蒔風が倒れ込んだ。
ビチャン、という音がして、足元にどれだけの血があるのかという事を証明していた。
「舜君!!!無茶はしないで!!!」
そこでやっとシャマルが寄って行って止血の魔法をかけて結界を張る。
さらに傷口を見て、数回うなづいてザフィーラに指示を出す。
「切り口が綺麗・・・・今ならまだ間に合うわ。ザフィーラ!!腕を!!それから、殺菌の結界をお願い!!!」
「了解した!!!」
「シャマル先生!!これ、舜さんの・・・・」
そこでエリオとキャロが今にも大泣きしてしまいそうな顔をしながら、蒔風の腕を持ってきた。
その腕についている衣類には、ハッキリと解るほどに、ヴィヴィオが握っていた跡がついていたままだった。
それを見て、シャマルが頷いて彼らに隊舎から避難した皆の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ