暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜奪われる未来〜
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!!!!!」





蒔風が焦り出した瞬間、キャロの叫びが蒔風の身体を動かした。



その場から動いた、その瞬間。

今まで蒔風がいたその場を、三つ首を持った地獄の番犬の牙が空を切って噛みついていた。
すなわち、そこに居たのはケルベロス。



その存在が現す事はただ一つ。






「「奴」が・・・・来やがった!!!」

「舜!!!!」



ケルベロスを過去に見た事のあるザフィーラが蒔風の名を呼ぶ。
だが、蒔風は「大丈夫だから地上本部の援護に向かえ」という言葉を返す。




「おとーさん、こわいよぉ・・・・・」

「おとーさんじゃない、おにーさんだ。大丈夫だ。この腕にしっかりしがみついてろ。ぜってー離さないから」

「う、うん・・・・・」



そうしているとヴィヴィオが目に涙を溜めて蒔風に訴えてくる。
そのヴィヴィオの頭をそっと撫で、蒔風がグッ、と左腕を締める。



奪われてなるものかと


これ以上、もはやこの世界での敗北をしてたまるものかと。






だが








世界はいつだって残酷だった。



















「ならば、その腕ごといただく」














――――ゾンッ!!!!!!









蒔風の背後から、一言だけ聞こえてきた。
その直後、左肩口に蒔風が熱い痛みを感じた。



そして






ヴィヴィオが蒔風から離れて行ってしまった。








蒔風の左腕ごと、一緒に








「ッ、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!・・・・・・・・・・あ・・・・・」





蒔風が地面に落ち、ヴィヴィオが握っていたモノを落として頭を抱えて悲鳴を上げ、すぐに意識を失ってしまった。
そして、そのヴィヴィオだけを、「奴」が抱えて空中に立っていた。



ボトリと蒔風の左腕が地面に落ちる。




「子どもを使うのは趣味じゃないんだが・・・・・まあ、これしかないなら仕方ない。ガキはいただく」





そう言って地面に倒れる蒔風を一瞥する「奴」
その言葉に反応してか、蒔風が左の肩口を押さえながら立ち上がった。



「そいつを・・・返せ・・・・・」


「舜さん!!!う、腕が!!!!」

「血も!!!い、急いで手当を!!!」




立ち上がった蒔風にその場の全員が駆けよってその有様に閉口し、戦慄した。

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