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提督はBarにいる。
明けちゃったけど正月の騒ぎ・その7
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「食前酒、じゃと?しかしお主が作っておるのはーー」

『コンソメスープじゃん』

 4人から一斉にツッコミが入った。確かに、俺が今コトコトと煮立たせているのは紛れもないコンソメスープ。正確に言えば、顆粒のチキンコンソメをお湯で溶かし、塩、胡椒、隠し味の醤油で味を整え、具材として細かく刻んだ玉ねぎを加えた至って普通のコンソメスープである。

「darlingも人が悪いネー、カクテルは今から作るならそう言えば?」

「チッチッチ、俺の嫁としちゃあ勉強が足らんなぁ金剛。『カクテルとて料理』なんだぞ?」

 カクテル、と言えば氷と共にシェイカー等で混ぜ合わせるイメージが強いが、その実ホットのコーヒーや紅茶を使ったレシピも存在するし、混ぜ合わせるだけとはいえ料理と言えなくもない。今俺が作っているカクテルも、ドリンクというよりも料理に近いがれっきとしたカクテルなのだ。

 俺はそう言いながらスープ・マグを人数分支度し、そこにウォッカを30mlずつ注ぐ。スープ・マグってのはレストランなんかで出てくるスープ用のマグカップの事だ。……あぁ勿論、家で作るなら普通のマグカップで十分だがな。そしてそこに先程作っていたコンソメスープを適量注ぎ、軽くステアしたら完成。

「ハイよ、ホットカクテル『ホット・チキン』だ」

 ウォッカも入っている為、普通のスープよりも身体がすぐに温まる。ウォッカの量はあくまでも目安だから、自分で加減してくれよ?

「おぉ、こいつはいい。酒も入っとるから身体が芯から熱くなってくるわい」

「確かにな。北方への進軍等の時には適しているだろう」

「……酒が入ってるから飲み過ぎ注意だがな」

 身体が温まるからと、飲み過ぎてヘベレケになってしまえば元も子もない。それに食前酒を飲ませたのはその食欲増進効果を期待しての事でもある。

 アルコールを摂取すると、それを分解する為に大量の糖分が使われる。そして一時的に軽い低血糖状態となり、脳が糖を補給……即ち食事をしろ、というシグナルを発するのだ。なのでお酒の席でついつい食べ過ぎてしまったり、飲み過ぎて急激な低血糖状態となって倒れてしまったりするワケだ。ホントは梅酒やビール、スパークリングワイン等の方が食前酒の狙いとしては効果が高いんだが……この辺の話はまた別の機会にでも。

「さて、知っての通りウチの店は基本オーダー制だ。ご注文は?」

「儂は……そうじゃな、鶏肉料理を貰おう。それとウィスキーのロックもな」

「私もウィスキーのロックだ。銘柄はこいつと同じでいい、ツマミはそうだな……海老で何か一品頼む」

「私と加賀はゆっくり考えますから、まだ大丈夫ネー」

 元帥、三笠、金剛の注文。金剛のは注文とは言い難いが、まぁ2人の分を先に作る
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