第一話「ガンダム」
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た!?」
「そういえば、職員の一人がドッグへ向かったけど?」
「父さんだ!」
僕はドッグへ再び向かおうとし、一夏も僕の後を付いて走って来た。
「待てよ! アムロ、ドッグが何処にあるか知っているのか!?」
「父さん……父さん!」
僕の頭の中には父さんが無事でいてくれと願うだけであり、長い通路を越えてようやくドッグへとたどり着くと、そこには広々としてドッグ内に、二体のMSが配備されていた。
それは見たことのない期待で、一体は一面純白の一角獣を思わせるような姿で、もう一体は赤と青、白で彩られたもう一体とは違う形のMSであった。
「MS!?」
「これか……!」
一夏は見つけたと言わんばかりに、二体の内純白のMSの方へと駈け寄って行った。僕は、その隣にあるもう一体MSを見ると、そこにはそのMSからカードを抜き取る父さんの姿を見た。
「父さん!?」
「アムロ? どうしてここに……」
「用は済んだ!? なら、早くここから出ようよ!?」
僕は父さんの肩を揺さぶってそう叫ぶが、
「一様事は済ませたが……問題はコイツだ」
そういって父さんは隣にある二体のMSを見てそう呟いた。
「MSなんてまた作ればいいじゃないか!? それ、データだろ!?」
「しかし、コイツと同じ物を作るとなればかなりの年月を要する。誰かがこれに乗って運んでくれれば……」
「そんな!? それよりも命が大事だよ!?」
「……やはりここは私が……ぐぅ!」
「父さん!?」
すると、僕は父さんの脇腹をふと見る。そこに、真っ赤な血が垂れ流れてワイシャツに染み付いていた。
「け、怪我してるの!?」
「なに、傷は浅い……それよりも私がコイツに乗って運ぶ。お前はそこに居る子を連れて逃げるんだ。そこに小型のシェルターがある」
そういって父さんは向こうの壁へと指をさす。しかし僕には出来なかった。
「そんなのできないよ!? 父さんだって怪我しているじゃないか!?」
「……頼む、私の言うことを聞いておくれ?」
そういって父さんは、本当の親らしく、人間臭い笑顔で泣きじゃくる僕を見つめた。
「父さん……」
「私は、今までお前に父親らしいことをしてやれなかった。こんな不幸者の父親を許してくれ……」
「……!」
僕は脇腹を押えて乗り込もうとする親父の肩を掴んで引き留めた。
「アムロ?」
「父さん……僕が、俺が代わりに乗るよ!」
「お前が? しかし……コイツは従来のMSとは勝手が違う。第一大事な一人息子を危険な目に……」
「目の前に居る大切な人を守れずに何が男だよ!」
僕はそう叫んだ。
「アムロ……」
父さんは僕を見つめ、僕は泣くような声で言う。
「父さんは何時だってそうだ……僕に一言も言わないでメールだけ残して直ぐに仕事へ行ってしまう。帰って来たと思ったら黙って自
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