第一話「ガンダム」
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って不慣れでしょ?」
「余計な御世話だ。とっとと出てけ……」
僕は二階へあがり、学生服に着替えると一階へ戻り、そのまま玄関へ向かった。
「ちょっと待ってよ! 朝ごはん作ったのに……」
「いらないよ……それに作れって言った覚えはない」
「じゃあ、お弁当作ったから持って行って?」
「コンビニに寄るからいい!」
「コンビニのお弁当だと栄養が片寄るよ?」
「うるさいな! 一々指図するな!!」
僕は怒鳴って家を出ていく。
「アムロ……」
後ろには明沙が少し涙ぐんで僕の後姿を見つめていた。
家を出ると、後ろから幼馴染で、数少ない友人の凩隼人が声をかけてきた。
「おはようアムロ」
「ああ、隼人……」
「アムロ、明沙にあんな言い方は無いんじゃないか?」
「聞いていたのかよ……」
「お隣だからね、聞きたくなくたって聞こえるよ?」
「そう……」
「どうしていつも喧嘩ばかりするんだ? もうちょっと優しくしてやれよ?」
「できるわけないだろ……」
「アムロ、女の人全員が女尊男卑に被れているわけじゃないんだよ?」
「どうしてそう言い切れるんだよ?」
「明沙がその一人だからさ?」
「信じられないね」
そう僕は否定して、鞄の中から朝食代わりのチョコバーを取り出してそれを齧った。
「それ、お前の父さんのだろ?」
隼人は鋭い視線でそう当てた。実はこのチョコバーや他の携帯職は全て親父の持ち物。親父は一カ月以上も職場に寝泊まりで仕事を続けているらしく、こうやって大量の携帯職などを買い占めて家に保管してある。それを僕がそのほんの一部を拝借しているのだ。
「そんな物食べ続けていたら体壊すぞ?」
「アイツの作る朝飯や弁当を食うよりかはマシだよ……」
「……!」
そのとき、隼人はチョコバーを持って食べる僕の手を叩きはらってチョコを弾いた。チョコは地面に落ちて、僕がそれを拾おうとすると。
「いい加減にしろよアムロ!!」
隼人の怒号が僕を驚かした。
「幼馴染を信用できないのかよ!? 僕はともかく、明沙はお前と一番仲良しだったじゃないか!? あのときの固い絆はどこに行ったんだよ!?」
「隼人……」
隼人、君は何を言っているんだ? そう尋ねたかったが、豹変した彼が怖くて質問することが出来なかった。
「もういい! 俺はお前を見損なったよ! 当分顔も見たくない!!」
そう叫ぶと、隼人は走り出して、僕よりも先に学校へ行った。一人残された僕は地面に落ちていたチョコバーを拾って食べられるかどうか確認したが、三秒ルールは時間切れ。汚れているので近くのゴミ箱に入れて学校へと向かった。
今日は本当に嫌な日だ。食卓に顔を出せば嫌な奴の顔を見るし、さらに友達の隼人と喧嘩してしまう。今日は待ちに待ったアナハイム社の見学日だっていうのに……
朝からこんな調
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