第一話「ガンダム」
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三年前の白騎士事件を切掛けに、世界はISインフィニット・ストラトスと共に女尊男卑という性差別が到来した。
男女の社会バランスが崩壊し、各地で反乱やテロ事件が相次ぎ、この世界に反発した科学者たちはISに立ち向かえる力、MSモビルスーツという人体を原子に分解して融合させる``ソリッドアーマー``を開発し、女尊男卑を一転させ、さらにはIS養成機関である「IS学園」と相対するMSの養成機関「MS学園」を建学した……
*
白騎士事件、それは歴史に名を刻む大きな「テロ事件」だった。
え? どうしてテロ事件だと決めつけるかって? 確かに、当初被害件数0と政府が公表したが、実はそうではない。本当は秘密事項により実際の被害件数を消去して政府が新たに塗り替えたのである。
よって被害者やその遺族たちには大金を支払い、適当に謝罪でも述べたのだろう。あるいは証拠隠滅のために殺されたとかだ……
僕もそんな被害者の一人で、あの事件で母さんを失ったのだ。政府に殺されるようなことはなかったが、だからといって大金も支払われなかった。今では親父と二人で東京の新宿で暮らしている。
親父は、軍の技術者であり近年開発された対IS用兵器になりかねない電子化融合ソリッドアーマー、MS通称「モビルスーツ」の開発に携わっている。近頃では新型の機体を作っているとか?機械にはあまり興味はないが、MSには興味があり、ときおり親父の部屋からデータを盗んでは観覧している。
*
「ふぅ……」
朝、眠い体をようやく起してベッドから起きた。寝ぐせだらけの髪をかきまわし、あくびをする。
「……?」
すると、一階のキッチンから聞こえるまな板の音が聞こえてきた。
「いい加減うざいな……」
またアイツが来ていると、僕は憂鬱になってランニングとトランクスといういつものパジャマスタイルで一階へと降りて行った。
下へ降りた僕は台所へ顔をのぞかせると、制服越しにエプロンをした同い年の少女が朝食を作っている。
「また来たのか……」
僕の呟いた声に彼女は振り向いて挨拶をするが、
「あ、おはよう! アムロ……って、ちょっと! どうして下着のまま来るの!?」
「は……?」
ランニングとトランクスは僕の寝巻だ。別にいいじゃないか? そう僕が平然としているが、彼女は益々顔を赤くする。ちなみに彼女は、幼馴染の雛巳明沙。陽気でうざいほどの元気娘で、胸は案外でかい幼馴染だ。小さい頃はよくコイツを連れて遊びに出かけたものだが、三年前のあの事件をきっかけに僕は彼女との距離を閉ざしたのだが、相変わらず母親を失った僕を哀れんで親面してくるから腹が立つ。
「ふ、服着てよ……」
「うるさいな……どうして居るんだよ?」
「だって、おじさん居ないんでしょ? それにアムロって不器用だから料理とか苦手だろうし、家事だ
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