第三十八話 忍び寄る悪その十
[8]前話 [2]次話
そしてだ、こう言ったのだった。
「私が」
「だって自分でお料理作るって」
「それも毎日よね」
「ええ、殆どね」
優花は素直に答えた。
「そうしているけれど」
「それはね」
「かなり凄いわよ」
「女子力あるわ」
「これにお掃除やお洗濯もってなったら」
「どっちもしてるわよ」
当然とだ、優花は答えた。
「だって一人暮らしだから」
「そういうこともしておかないとっていうのね」
「お部屋が汚くなる」
「そうなるから」
「ええ、お風呂やおトイレもね」
そうした場所もというのだ。
「自分でお掃除してるわよ、時間があれば」
「それが凄いわ」
「私には無理よ」
「私もよ」
「昔からそういうことは好きだったから」
家事やそうしたことはというのだ。
「してるだけだけれど」
「いや、好きっていうのが凄いのよ」
「そのこと自体がね」
「お料理にしてもお掃除にしても」
「面倒臭いって思わないこと自体が」
「凄いのよ」
「そうかしら、だって誰かしないと」
それこそというのだ。
「食べられないし汚いままでしょ」
「それはそうだけれど」
「結構皆ズボラよ」
「お部屋のお掃除もね」
「あまりしないしね」
「お料理だって一人だと」
「インスタントラーメンとかね」
そういうもので済ませてしまうというのだ。
「それを自分で作るとか」
「しかも栄養バランスまで考えるとか」
「優ちゃん立派よ」
「絶対にいい奥さんになるわ」
「お母さんにもね」
「そうなれたらいいわね」
優花は同じ言葉に今度はこう言えた、微笑んで。
「是非」
「ええ、絶対になれるから」
「そのままでいってね」
「優ちゃん可愛いしね」
「このこともポイント高いから」
クラスメイト達は優花にこうしたことも言った、そしてだった。
優花は彼女達と別れてスーパーに入りそのうえで鶏肉とブロッコリーと大蒜、それにアスパラガスとチシャのサラダを買ってだった。
家に買って自分で料理を作って食べた、御飯と一緒に。
後は食器を洗い風呂に入ってからだった、歯を磨いて予習復習をして寝た。
その次の日の朝も朝食の後で登校すると。
クラスでだ、昨日のクラスメイト達に言われた。
「それで昨日は何作ったの?」
「何を作ったの?」
挨拶の後で聞いてきた。
「カレー?ハンバーグ?」
「それともスパゲティ」
「あっ、昨日はブロッコリーとアスパラガスとね」
そしてとだ、優花は答えた。
「鶏の胸肉をオリーブオイルで焼いたの」
「へえ、そんなお料理作ったの」
「そうだったの」
「あとお家に若布と玉葱があったから」
それでというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ