暁 〜小説投稿サイト〜
密会
第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
る。
「開放的にいってもいいと思うのですが」
「わざわざ教会でこっそり、とはいかなくともですね」
「はい、そう思うのですが」
「そこはそれぞれです」
 その温厚な笑みで返すグレゴリ神父だった。
「それもまた、です」
「人それぞれですか」
「公に。明るく付き合える人もいればです」
「それができない人もいると」
「確かに我が国は明るい国です」
 二人の祖国であるブラジルはラテン系の国だ。その明るさは折り紙付きである。
「そして開放的でもあります」
「しかしですか」
「そうです。人はそれぞれです」
 グレゴリ神父は穏やかな笑みでだ。カレーラス神父に話す。
「その中にはです」
「彼等の様におおっぴらに交際できない者もいますか」
「神はそうした繊細な二人に対しても愛を向けられます」
 これがグレゴリ神父の言葉だった。
「ですから。私達はです」
「その彼等に対してですか」
「見守るべきなのです」
 こう言うのであった。
「そうして頂けますか」
「私はです」
 カレーラス神父はグレゴリ神父とは対象的だった。
[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ