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SAO−銀ノ月−
第百二十二話
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もウロコを硬質化させて刃を通さない大蛇に対しては、唯一の打撃が持ちのノリが名乗りをあげた。そして残り二体は、巨大な火炎弾を放つタイプと――

「……わあ!?」

 ――今の今まで見せていなかったが、大蛇の目が光るとともに台風のような疾風が吹き荒れた。何とか踏ん張って堪えるものの、装備の関係で最も軽いユウキはたまらず吹き飛ばされてしまう。

「……ちょっと! ユウキが吹き飛ばされてあたしが吹き飛ばされないと、あたしの方が重いみたいじゃん!」

「…………」

 ノリの発した抗議からキリトとともに目を逸らしながらも、吹き飛んでいったユウキを助けに行きたいところだが、まだ俺たちにも継続的に疾風が舞っている。あまりにも強い疾風故に、他の大蛇も追撃が出来ないのは不幸中の幸いだったが――今なお風に吹かれているユウキには、そうもいかない。

「ユウキ! 避けろ!」

「そ……そんなこと言われても!」

 上空で身動きの取れないユウキに対して、大蛇の一体が放った火炎弾が迫る。疾風によって炎が煽られて火炎弾は勢いを増し、今や当たれば一瞬にして灰になるかのような火力を持っていた。

「でも……えいや!」

 避けられない。そこでユウキが取った行動は、火炎弾をソードスキルを込めた斬撃で切り裂くことだった。スペルブラスト――散々キリトや俺はやっておきながら、全くその可能性について思い立っていなかった。

「見たか! ボクだってこれぐらわああああ!」

「おっと!」

 火炎弾を切り裂いたとともに突風が止み、上空に巻き上げられていたユウキが落下していくが、そこは合流したテッチがキャッチした。そして火炎弾を放つ大蛇は、ユウキたちに向かっていく。

「ショウキ! こっちにも来るぞ!」

 ならば、残る二体の大蛇はこちらに来る。向こうは向こうで何とかするだろうと、キリトにノリと大蛇たちを迎え撃つ。先の突風で受けたダメージをシウネーの魔法が回復してくれた後、ウロコが硬質化した大蛇の攻撃を後ろに避ける。

「あんたの相手はあたしだって言ってんでしょうが!」

 しかして背後に避けただけの男二人と違って、ノリは無理やり体当たりしてきた大蛇の上に乗ってみせた。そしてその手に持った棍で力任せに大蛇を叩くと、硬質化したウロコにヒビを与えてみせる。

「もういっちょ!」

「ショウキ!」

「分かってる!」

 更なる追撃をしようとしていたノリの上空から、突風を起こす大蛇がノリを捕食せんと迫っていた。ただしノリに対して一直線で向かって来る故に軌道は分かりやすく、男の疾風を纏ったクナイとキリトの斬撃が大蛇の目を潰す。

 そして上空から迫っていた大蛇は視界を失い、ノリを振り落とさんと暴れる硬質化の大蛇に落下する。まるで
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