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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#35 光の王都バチカル
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せっか!!」
息を荒くさせているルークを落ち着かせようとヴァンがその肩に手をかけた
「ルーク、おちつけ……」
ヴァンだからこそ、出来る事だ。信頼できる師匠だから、ルークの心に響き、余裕を生む事が出来た。だからこそ、詰めかかろうとしていたルークは、歩を止めて、落ち着く事が出来たのだ。
インゴベルトもルークを諫める様に静かに、それでいてはっきりと言った。
「こうして親書が届いたのだ…。それを無視はせぬ…」
親書を確認すると、はっきりと約束をしてくれた。王が……、キムラスカの頂点が…。
「頼むぜ…叔父上」
そして、安堵感が辺りを包みこぬような感覚が走る。
―――これで…きっと………。
―――皆が、助かる……。
「ルーク…ありがとう 貴方のおかげです……」
イオンはルークに礼を言った。
その隣にいたアルも同じく。
「オレからも…、……ありがとう、ルーク。これで……アクゼリュスが、皆が、……助かる…、んだね……? うん。うんっ。ほんとに、ほんとにありがとう! ルークっ!」
まだ、完全に安心できる訳ではない。町を蝕んでいるものは、まだ猛威を振るっているのだから。
だけど、間違いなく大きな一歩だから。……だからこそ、アルの目には、光るものがあった。
だけど、流れる事はなく、どうにか堪えた。……何故なら、本当に救えた時にお預けだ。
――愛する人たちと、交わすまでは。
「まーな! 本気出せばこんなもんだよ」
ルークは、何処か照れ臭そうにしていた。その時にジェイドは、こんな時にもジェイド。
「流石の七光りです!」
「いちいち癇に障るやつだな!!」
ルークが怒るのも無理は無いだろう。
「まっ…まぁーまぁー。ほら、ジェイドってさ。こう言うキャラじゃん? ねっ? 落ち着いて」
ルークをなだめるのはアル… 構図は相変わらずだ。いつまでも変わらなそうだ、と思ってしまう程、スムーズだった。
「これは失礼……。ですが、実際助かりましたよ」
ジェイドも、今回ばかりは本当にそう思っていたみたいだ。目的を達成できたのはルークの助力があっての事だったから。
そしてルークはと言うと。
「これで…戦争は起きなくなるのか?」
それを確認したかった。
ルーク自身は認めないだろうけれど、……アルの希望に満ちた顔がゆがむのは、あまり見たくない、とこの時、思っていたから。
「これから検討が始まるだろう」
その問いに、ヴァンが答えた。
それに安心した様で、ルークは。
「そうか…それじゃあオレは母上のところへ行って来る。心配しているだろうからな」
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