暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#35 光の王都バチカル
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
せっか!!」

 息を荒くさせているルークを落ち着かせようとヴァンがその肩に手をかけた

「ルーク、おちつけ……」

 ヴァンだからこそ、出来る事だ。信頼できる師匠だから、ルークの心に響き、余裕を生む事が出来た。だからこそ、詰めかかろうとしていたルークは、歩を止めて、落ち着く事が出来たのだ。

 インゴベルトもルークを諫める様に静かに、それでいてはっきりと言った。

「こうして親書が届いたのだ…。それを無視はせぬ…」

 親書を確認すると、はっきりと約束をしてくれた。王が……、キムラスカの頂点が…。

「頼むぜ…叔父上」

 そして、安堵感が辺りを包みこぬような感覚が走る。




―――これで…きっと………。

―――皆が、助かる……。






「ルーク…ありがとう 貴方のおかげです……」

 イオンはルークに礼を言った。
 その隣にいたアルも同じく。

「オレからも…、……ありがとう、ルーク。これで……アクゼリュスが、皆が、……助かる…、んだね……? うん。うんっ。ほんとに、ほんとにありがとう! ルークっ!」

 まだ、完全に安心できる訳ではない。町を蝕んでいるものは、まだ猛威を振るっているのだから。
 だけど、間違いなく大きな一歩だから。……だからこそ、アルの目には、光るものがあった。

 だけど、流れる事はなく、どうにか堪えた。……何故なら、本当に救えた時にお預けだ。



――愛する人たちと、交わすまでは。



「まーな! 本気出せばこんなもんだよ」

 ルークは、何処か照れ臭そうにしていた。その時にジェイドは、こんな時にもジェイド。

「流石の七光りです!」
「いちいち癇に障るやつだな!!」

 ルークが怒るのも無理は無いだろう。

「まっ…まぁーまぁー。ほら、ジェイドってさ。こう言うキャラじゃん? ねっ? 落ち着いて」

 ルークをなだめるのはアル… 構図は相変わらずだ。いつまでも変わらなそうだ、と思ってしまう程、スムーズだった。

「これは失礼……。ですが、実際助かりましたよ」

 ジェイドも、今回ばかりは本当にそう思っていたみたいだ。目的を達成できたのはルークの助力があっての事だったから。

 そしてルークはと言うと。

「これで…戦争は起きなくなるのか?」

 それを確認したかった。
 ルーク自身は認めないだろうけれど、……アルの希望に満ちた顔がゆがむのは、あまり見たくない、とこの時、思っていたから。

「これから検討が始まるだろう」

 その問いに、ヴァンが答えた。
 それに安心した様で、ルークは。

「そうか…それじゃあオレは母上のところへ行って来る。心配しているだろうからな」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ