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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#34 響く声
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し違うものだった。
 違うのは内容であり、声の主は同じだ。

「何だってんだ! くそっ! でも、オレは師匠(せんせい)から………、ヴァン師匠(せんせい)から、教わったんだ! もう、…お前なんかに、操られたり…しないぞ!」

 ルークは、叫びながら、精神を集中させた。

「ルーク!? 大丈夫か! しっかり!!」

 アルは、突然のルークの異変に気付いて傍に駆け寄った。

「はぁ………、はぁ………、はぁ…………」

 ルークは、アルに応える余裕はなく、ただただ意識を集中させていた。
 あの洗脳されるかの様な……、身体を操られてしまうかの様な、《声》に抗う為に。

「………ルークっ!?」
「だ、大丈夫だ。……ただ、前から聞えてた幻聴が聞えてくるだけだから」

 ルークは、そう言い、そして 漸く余裕も出てきたのか、アルの方を見た。

『………この男……………………か…………!?』

 その言葉を最後に、ルークの幻聴は聞えなくなった。

 ルークは、聞こえなくなった事を確認すると、そのまま、体をアルの方に向けた。

「……大丈夫っていったろ?」
「はぁ……そのようだね? もー、心配して損したよ」
「あんだと!」

 ルークも、そして アルも。……お互い、いつも通り元に戻り そして それぞれ部屋へと戻っていったのだった。



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