宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 5
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向かって飛び、右足を掴む。
「よしっ、ってなに!?」
だが、勢い余って膝から下がもげてしまい、オレはそのまま隔壁に打つかる。痛みをこらえて近くのコンソールを操作してブリッジに通信をつなげる。
「こちら永井、オルタは第3デッキの通風口に侵入。右膝から下を破損している。出来れば鹵獲を願う。ヤマト重要機関への侵入が行われそうな場合、頭を吹きとばせ。胸には当てるなよ」
オレに出来ることはここまでだな。あとは、他の者に任せるしかない。
「技術長はアレに心があるとおっしゃられるんですか?」
「そうだよ。今の心理学会では心の定義がされている。無論、それを満たしていればロボットやプログラムであっても心を持った生命体であると決まっている。そして、その心の定義をアナライザーもオルタも満たした」
「エッ?」
「今まではその過程を観察できなかったことによって発見されなかったが、副長の指示でアナライザーのデータは逐一収集していた。それによって心の発現も観測されている。それはオルタにも言える。納得したかね?副長の指示通り、出来る限り鹵獲を試みてもらおう。両手足の破壊なら許容範囲だ」
「……っち、了解しました」
「舌打ちする気持ちもわかる。だが、頼むよ」
「情報長には心がないと思っていましたがね」
「ふふっ、よく言われるよ。だが、私は心理学の定義上心を持っている。表面に出にくいだけでね。なんなら、君も調べてみるかね」
「……任務に戻ります」
「真田サン、ワタシハ本当ニ?」
「心がある。副長は前々からお前に心が芽生える可能性があると信じていた。それが実際に昨日確認された。まだ学会に発表していないから認められてはいないが、副長は多数派工作は得意だ。確実に認められるだろう。お前は、一個の生命体だ。だが、ロボットでもある。三原則に縛られることになる。それに対し、お前がどう動きたいのか、この航海で考えていく必要がある」
「すまんな、アナライザー。あんなことがあった以上、オルタは封印しなければならなくなった」
「封印ガ解カレルコトハアルノデショウカ?」
「この航海中は無理だろうな。だが、航海が終わればどうとでもしてやるさ。さあ、ここで待っていてやるから挨拶を済ませておけ」
「ハイ、御配慮アリガトウゴザイマス」
解析室へと入っていくアナライザーを見送り、しばし考える。オルタの言う女神に関してだ。おそらく、オルタが女神に出会ったのは艦内コンピュータ内でのことだろう。プログラム上に女神が存在するということは、オルタやアナライザーのように心が芽生えた何かがあるということか、生体脳を利用した何かが存在するという
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