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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第59話 冤罪事件・解決
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。……が、そもそも慣れるのかどうか分からない程のスピードだった。よしんば見切ることが可能だったとして、そこまでの時間を与えてくれるとは思えない。
 例え、裏モカであったとしても、如何に強大な力を兼ね備えていたとしても、当たらなければ意味は無い。相性が悪い、と言える。
 
「そうだ、カイトっ!! ほら、さっきやったみたいにもう一度滑らせちゃえばどう? そこに すかさず、モカのキックが入ればいけそうじゃん!?」

 くるむがそう提案するが。

「……いや、同じ手が2度通用すると思ったら痛い目をみる。それにあのスピード。地面の一点を蹴って即座にその場所へ移動しているみたいだ。地面との設置時間が短すぎるからさっきのようには上手くいかない可能性もある。……何より、モカへの障害にもなりかねない」
「じゃ じゃあ……、どうすれば!」

 つくねが声を出そうとした時、ギンの瞬速が再び発動した。

「バンパイアが「力」なら人狼(ウェアウルフ)は「(はやさ)」の大妖! そして、このスピードは月の光が強いほど速さを増すんや! 今夜は月が最も輝く満月!!!」

 そう言いながら屋上を縦横無尽に駆け巡る。それはまるで閃光(ライトニング)だ。残像が連続して見えている、とでも言うのだろうか。

「満月の夜の人狼(ウェアウルフ)は無敵やでッ!!!」

 今度は、残像を残しつつ移動している為、まるで分身を残している様に見えてしまう。いや、所々で、移動するリズムを変えてきているから、あまり広いエリアじゃない筈なのに、姿を完全にとらえる事が出来なくなってしまっていた。

「なっ……!(見えない……!これが人狼(ウェアウルフ)か……)」

 流石のモカにも動揺が走る。
 これほどの速度は、モカでもお目にかかったことが無い様だ。


「(こんなモカ初めてみるな。考えようによっては、ある意味珍しい場面。ラッキーと言えるかもな。 ……よし! 手は考えた)」

 カイトは、自身の手札を頭に浮かべ、最適解を見出すと、周囲に呪文形式の陣形を描いた。

 書かれた魔法陣は、輝きを放ちながら、今は無風の夜の筈なのに不自然な風を生んでいた。
 
 突然の事に、くるむとつくねは驚いていると。

「……ちょっと 2人ともオレから離れててくれ、反動で飛ばされるかもしれないから」

 やや挙動不審にしている2人に言う。
 振り向いた2人はその不自然な風はカイトから生まれていた事に気付いた。

「何をするの!?」
「大丈夫だ。モカを助ける為に、な。まあ、あくまでモカのフォロー程度だけど。(正直、如何に劣勢でも、戦う相手取ったら モカにボコられそうだ……)』

 そう言い軽くウインクしながら 2人を見つめた。

 カイトの事は
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