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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第59話 冤罪事件・解決
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 それに気付いたカイトは、何とかくるむを引き剥がした。

「つっ!! ぷはあぁ!! くるむ!! 頼むから今はちょっと空気読んで!! 危ないから! 人狼(ウェアウルフ)が危ない、ってくるむも言ってただろっ??」

 くるむの肩をつかみながら言った。
 もちろん顔は目の色と同じで真っ赤っ赤、である。胸から解放されて、目の前のくるむの胸を見て……、思わず意識してしまった様だ。あの胸に包まれていた……なんて、思ったら。

「あ、あぅ……、ごめん///」

 くるむは真っ赤なカイトにキュンっとしながらもカイトを離し離れた。
 その時、とうとうしびれを切らせたギンが叫ぶ。

「うらやましいやないかーーーーーー!」


「「はい??」」

 どうやら、突然の展開で、コケにされて怒ってたんじゃない様子。
 緊迫した空気をくるむが解いて、戻ってきた? かと思えば ギン自身が解いて……、そうこうしている内に。

 ギンの背後から強大な妖気が迸った。

 つくねがあの隙にモカのロザリオを外して封印を解いた様だ。

 勿論、霧散した空気はまた張り詰めた。

「……赤い瞳……、まさかこれはっ! バンパイア!」

 モカはその赤い瞳でギンを睨みながらその場に降臨した。
 並の妖であれば、その行為だけで萎縮するものなのだが、ギンには通じなかった。

「……フッ フ……フフ、 これがモカさんの正体なんか……っ ハハハハハ!! 美しいでッ! 最高やッ! 変心後の姿も美しすぎや赤夜萌香ッ!!」

 いつも通りの姿勢を全く崩さなかった。さっきのカイトとの小競り合いはすっかり忘れてしまったみたいだ。あんなに青筋立てて睨んでいたのに。

「………たいしたもんだな あの先輩……、ここまで来ると」
「ははは………」

 正直、完全に忘れ去られた2人は、忘れられた事よりも、ただただ苦笑いしかでてこなかった。




「バンパイアでもかまわへん!ブッ倒してでも必ず俺の女にしたるッ!」

 そう言うとギンはモカに飛び掛った。

「……!! ふざけるな このっ!」

 突進してくるギンにモカは、カウンターの手刀による突きをするが。

「どこぉ狙とるんや? こっちやで」

 目の前にいたはずのギンが、あっという間に屋上への階段のある建物のほうまで移動していた。

「きっ……、消えたッ!」
「疾いっ 物凄い素早さだわッ!」

 つくねとくるむはモカの攻撃をあっさりと回避したギンに驚愕していた。同じく、移動を遠間で見ていたカイトは。

「残像だけは追えた……、厄介だな。あの速さは」

 確かに相手との速度の差はどうしようもない事だ。でも戦いに時間が経つに連れて目は慣れてくるものでもある
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