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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第59話 冤罪事件・解決
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こそが、ギンにとって有り得ない光景だった。何故ならつくねは、今も監禁されてい筈だったから。何より、屋上への入り口……ではなかった。よじ登ってきた、とでも言うのだろうか?

「何でお前がここにっ……」
「つくね! くるむちゃん! カイト!!」

 最初は、くるむがつくねを抱えて飛ぶと言っていたが。
 そんな力仕事は男の役目、と言うものだろう。空を飛ぶ様な事が出来るのは、くるむだけではなく、カイトも可能だ。長時間は流石にきついが、風を操って宙に浮く事が出来る。
 それは、他者に併用する事も可能だから、屋上へとつくねを運んだのはカイトである。

「はぁ、夜の屋上で〜、とはまた……ベタな……」

 苦言を呈しながら、そのまま カイトは屋上に着地した。
 くるむやカイトの姿を見て、ギンは漸く理解できた。つくねの監禁からの解放と、ここへ連れてきたのは、2人である、と理解できた様だ。

「そうか……、お前らが……、よくもええとこで邪魔しよって………このっ!」

 全てを理解した所で、今度は怒りの感情がギンに高まり、それに比例して妖気も上がっていった。

「すっこんどれやぁあぁあ!!!!」

“ウオオオオオオオオオォォ!!”

 夜に響くのは狼の遠吠え。
 その姿を見て、ギンの正体がはっきりと分かった。

人狼(ウェアウルフ)か。瞬速の大妖。随分と大物だったんだな」

 人狼(ウェアウルフ)は、バンパイアに告ぐ大妖怪に分類する妖である。この学園で大妖に分類される妖怪は、モカしかまだお目にかかってなかったから、少なからず驚きもあった。

「これが……、ギン先輩の正体?? 性格(なかみ)と同じで、獣そのものだ!!」

 つくねはと言うと、思った事をそのまま口に出してしまっていた。

「……あー、 つくね? 思ってていてもなるべくは、口に出さない方がいいと思うぞ? 逆上してくると思うから。襲われても自信があるなら止めないけど」
「あ゙……、口に、出てた?」
「いやいや、ばりばりに」

 そんな2人のやり取りも、当然ながら 相手(ギン)に聞こえていた。

「んやとー コラァァァァァ!!」

 カイトの忠告遅し、である。

 興奮してる様だが、今のギンには、はっきりと聞こえていて、それなりに効いたみたいだ。

「そ……、そんなことよりモカさんを!」

 つくねはモカの方へ走り出した。

「まっ、まってつくね! 人狼(ウェアウルフ)はバンパイアと並ぶ大妖怪よ!! まともに言っても勝ち目は!」

 くるむは、止めようと叫んだのだが、既にギンはつくねが走り出した瞬間に既に動き出していて、走るつくねの足を蹴り飛ばした。走る勢いをそのままに、脚を蹴られた為、勢いよくつくねは、モカの
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