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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第一話 因縁のある者達の再会
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驚愕して凰香にそう言うが、凰香は榛名に答えることなく続けた。

「………そんな中、深海棲艦である防空棲姫は民間人を助けようとしたにもかかわらず、艦娘達は民間人を巻き添えにして深海棲艦に砲撃を行った。結果、深海棲艦達は撃沈し、民間人を乗せた船も一緒に水底に沈んだ………『たった一人の生存者を残して』」
「!あ……あぁ………!」

凰香の言葉を聞いた瞬間、榛名は理解してしまった。何故凰香が『10年前』という言葉を付けたのか。
それは、榛名が砲撃して沈めてしまった船に凰香が乗っていた。つまり凰香は『あの奇襲作戦の唯一の生き残り』なのだ。そして、凰香にとって榛名は亡くなってしまった人達の仇である。

「………あなたは私のことを知らないかもしれない。……でも、『私達』はあなたのことを知っているのよ」

凰香がそう言った瞬間突然凰香の背後が光を放たれ、それが消えると先端が赤く染まった黒い二本の角が生えた白の長髪に黒色の鉢巻のようなものを巻いており、胸元に黒い金属の飾りが付いたお腹が丸見えの白色の半袖の服のようなものに黒いミニスカートのようなもの、黒い手袋に金属の刺々しいブーツのようなものを身につけた白い肌の女性が立っていた。
その女性を、榛名は知っていた。いや、知らないはずなどなかった。
なぜなら、その女性は榛名を始めとする艦娘達から『災厄』と呼ばれ恐れられていた深海棲艦『防空棲姫』だったからだ。
防空棲姫が榛名を見た瞬間、凄絶な笑みを浮かべて言った。

「……久しぶりね、人殺しの艦娘さん」
「…な…ど、どうし……!」

ーーーーどうして、防空棲姫が生きているのか?
榛名はそれを言おうとしたが、あまりの恐怖に舌が回らずに言うことができなかった。
それもそうだ。確かにあの日、防空棲姫は榛名達の目の前で爆炎に飲み込まれて姿を消した。だが、今目の前にこうして姿を現している。それも、凰香と共にだ。
すると榛名が言おうとしていたことをわかっていたのか、防空棲姫が言った。

「あの日私は轟沈寸前だったけど運良く生き延びてね。死にかけていたこの子に私の魂を宿して命を助けたのよ。おかげでこの子は半分深海棲艦となり、私は幽体となったわ。今はこうして実体化しているけどね」
「そんな………なんてことを………!」

榛名は防空棲姫の言葉に衝撃を受けた。
無関係の人間を深海棲艦にさせるなど、狂気の沙汰としか思えなかった。それが人の命を助けるためだとしてもだ。
すると、防空棲姫が真剣な表情で言った。

「狂気の沙汰?非人道的?少なくともあなたにだけは言われたくないわ。あの日あなた達がこの子達を助けようとしていれば、私達はあれ以上戦うつもりは一切なかった。でも、あなた達はこの子達を助け
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